ラブグッドの家
基本情報
- タイプ (Type): 住宅
- 場所 (Location): イギリス、デボン州、オッタリー・セント・キャッチポール村の近くの丘の上
- 主な特徴 (Key Features): 巨大な黒いチェスの駒(ルーク)に似た外観、家の周りに植えられた奇妙な植物、雑誌『ザ・クィブラー』の印刷所を兼ねている。
記述と歴史
ラブグッドの家は、ウィーズリー家が住む隠れ穴からも近い、オッタリー・セント・キャッチポール村を見下ろす丘の上に建つ、風変わりな家です。その外観は、「巨大な黒いチェスの駒(ルーク)」と形容される円筒形の塔であり、非常に目立ちます。家の入り口へと続く小道は曲がりくねっており、両脇には「ディリジブル・プラム」のような奇妙な植物が植えられています。門には「『ザ・クィブラー』編集長 X・ラブグッド」と書かれた看板が掲げられていました。 家の内部もまた、その外観に劣らず独特です。
- 一階 (台所): 完璧な円形の部屋で、壁に合わせてすべての家具が湾曲しています。壁や天井には、ゼノフィリウス・ラブグッド自身が描いたと思われる、鮮やかな花や昆虫、鳥の絵が描かれています。この部屋には、雑誌『ザ・クィブラー』を印刷するための魔法の印刷機が置かれています。
- 二階 (仕事部屋兼居間): 本や書類、様々な魔法生物の標本などが山積みになった、雑然としながらも創造的な空間です。ゼノフィリウスが「角折れスノーカックの角」だと信じていた、実際には非常に危険なエラプメントの角が飾られていました。
- 三階 (ルーナの寝室): 天井に、ルーナ・ラブグッドが描いた5人の友人の肖像画(ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャー、ジニー・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム)が飾られています。それぞれの顔は「友達」という言葉を繰り返して描かれた金色の鎖で繋がれており、彼女の友人への深い愛情と忠誠心を示していました。
この家は、ルーナ・ラブグッドが生まれ育った場所です。彼女の母であるパンドラ・ラブグッドは、ルーナが9歳の時にこの家で呪文の実験に失敗し、彼女の目の前で亡くなりました。
物語における役割
ラブグッドの家は、物語の最終盤である『ハリー・ポッターと死の秘宝』において極めて重要な役割を果たします。 ゴドリックの谷で見た謎の記号の正体を探るため、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの3人はゼノフィリウス・ラブグッドを訪ねます。この家で、ゼノフィリウスは彼らに吟遊詩人ビードルの物語に登場する「三人兄弟の物語」を語り聞かせ、その記号が長老の杖、蘇りの石、透明マントを組み合わせた「死の秘宝」の印であることを明らかにします。この訪問は、ハリーが分霊箱探しから一時的に関心を逸らし、死の秘宝の伝説に魅了されるきっかけとなりました。 しかし、死喰い人に娘のルーナを人質に取られていたゼノフィリウスは、ハリーたちをヴォルデモート側に引き渡そうと画策します。彼は死喰い人を家に呼び寄せますが、戦闘の最中にハーマイオニーの呪文が仕事部屋に飾られていたエラプメントの角を直撃し、大爆発を引き起こしました。家は半壊状態となり、その混乱に乗じてハリーたちは辛くも脱出に成功しました。
既知の区域
- 台所: 1階にあり、『ザ・クィブラー』の印刷機が置かれている円形の部屋。
- 仕事部屋兼居間: 2階にある、様々な物が散乱した部屋。
- ルーナの寝室: 3階にある、天井画が特徴的な部屋。
舞台裏情報
- 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、原作の記述に忠実でありながら、さらに独創的なデザインの家として映像化されました。特に、爆発によって家が崩壊するシーンは視覚的に印象深く描かれています。(映画の描写)