オパールのネックレス

オパールのネックレスは、銀の鎖に多数のオパールがはめ込まれた、見た目には非常に豪華で美しい装飾品です。しかし、その美しさとは裏腹に、極めて強力で致命的な呪いがかけられています。 ノクターン横丁にあるボージン・アンド・バークスの店内で、ビロードのクッションに乗せられ、ガラスケースの中に陳列されていました。ケースには「触れるな!呪いがかかっている — これまでに19人のマグル所有者の命を奪った」という警告文が添えられており、その危険性を示唆しています。

このネックレスにかけられた呪いは、直接的な物理的接触によって発動します。その効果は即時的かつ破壊的で、触れた者に深刻な苦痛と傷害を与え、最終的には死に至らしめるほどの威力を持っています。 呪いの強度は非常に高く、たとえ手袋越しのほんのわずかな接触であっても、被害者を空中に浮き上がらせ、制御不能な叫び声を上げさせるほどの激痛を引き起こします。セブルス・スネイプのような熟練した魔法使いによる迅速な対抗呪文がなければ、被害者の命を救うことは困難です。呪いを受けた場合、たとえ一命を取り留めたとしても、聖マンゴ魔法疾患傷害病院での長期にわたる治療が必要となります。 物語の中で、ドラコ・マルフォイはこれをアルバス・ダンブルドアを暗殺するための道具として利用しようとしました。

このネックレスの起源や製造者については、作中では明らかにされていません。しかし、ハリー・ポッターホグワーツに入学する以前から存在し、少なくとも19人のマグルの命を奪ってきたことが知られています。 1992年、ハリー・ポッターは初めてボージン・アンド・バークスを訪れた際にこのネックレスを目撃しています。 1996年から1997年にかけての学年中、ヴォルデモート卿からアルバス・ダンブルドア殺害の任務を課せられたドラコ・マルフォイが、このネックレスを店から購入しました。彼は服従の呪文をかけたマダム・ロスメルタを介してネックレスをダンブルドアに届けさせようと画策しました。しかし、ロスメルタはホグズミードのパブ「三本の箒」でグリフィンドールのクィディッチ選手であるケイティ・ベルにそれを託してしまいます。 ケイティは友人と口論になった際、包みに空いていた小さな穴から偶然ネックレスに触れてしまい、呪いが発動しました。彼女は即座に空中に吊り上げられ、激しい苦痛に襲われましたが、その場に居合わせたリーマス・ルーピンや、後に駆けつけたセブルス・スネイプの処置によって一命を取り留めました。その後、彼女は聖マンゴ魔法疾患傷害病院へ搬送され、数ヶ月にわたる治療を受けました。

このネックレスの製作者や、かけられた呪いの詳細な性質について、作者 J.K. ローリングによる追加情報は特に明かされていません。その出自は謎に包まれたままであり、闇の魔術の道具が持つ未知の恐怖を象徴する存在となっています。