パーシー・イグナティウス・ウィーズリー

パーシー・イグナティウス・ウィーズリー (Percy Ignatius Weasley) は、ウィーズリー家の三男であり、アーサー・ウィーズリーとモリー・ウィーズリーの息子です。彼は非常に野心的で、規則を重んじる性格の持ち主です。ホグワーツ魔法魔術学校ではグリフィンドール寮の監督生、そして首席を務め上げ、卒業後は魔法省に就職しました。物語中盤では、出世欲から魔法省の公式見解を支持し、ダンブルドアやハリー・ポッターを非難したことで家族と深刻な対立を起こし、一時的に絶縁状態に陥りました。しかし、第二次魔法戦争の最終決戦であるホグワーツの戦いで家族と和解し、共に戦いました。彼の物語は、野心と家族愛との間で葛藤する人物の姿を描いています。

パーシーは1987年にホグワーツ魔法魔術学校に入学し、グリフィンドール寮に組分けされました。彼は非常に優秀な学生で、5年生の時に監督生に選ばれ、父親からお祝いにフクロウのヘルメスを贈られました。7年生の時には、兄のビル・ウィーズリーに続いて首席に任命され、その地位を非常に誇りにしていました。在学中、彼はレイブンクロー寮の監督生であったペネロピー・クリアウォーターと交際していました。彼は規則を絶対視し、双子の弟であるフレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーの悪戯を常に咎めていました。

ホグワーツ卒業後、パーシーは魔法省の国際魔法協力部に就職しました。彼は仕事に情熱を注ぎ、コーネリウス・ファッジ大臣のジュニア・アシスタントに昇進します。しかし、この昇進が、ヴォルデモート卿の復活を否定するファッジがパーシーをウィーズリー家の監視役として利用するためだったことを父親のアーサー・ウィーズリーに指摘されると、パーシーは激怒。父親には「野心がない」と侮辱的な言葉を浴びせ、家族の貧しさを恥じていることを露わにし、家を出てロンドンで一人暮らしを始めます。 この後、彼はウィーズリー家と完全に断絶し、ハリー・ポッターとアルバス・ダンブルドアを公然と批判する魔法省の側に付きました。不死鳥の騎士団の活動を密告することはありませんでしたが、家族との溝は深まるばかりでした。

第二次魔法戦争が激化し、ヴォルデモート卿が魔法省を掌握した後も、パーシーは省に留まり続けました。しかし、彼は内心で自分の過ちに気づき、後悔していました。ホグワーツの戦いの最中、ついに彼はアバーフォース・ダンブルドアの助けを借りてホグワーツに駆けつけ、家族と再会し、涙ながらに謝罪しました。 彼は家族と共に勇敢に戦い、変身術を駆使して死喰い人と化したパイアス・シックネス大臣と決闘しました。戦いの最中、彼は弟のフレッド・ウィーズリーが目の前で命を落とすという悲劇に見舞われます。この出来事は彼に計り知れない衝撃を与え、彼は怒りに燃えてオーガスタス・ルックウッドを追撃しました。

パーシーは、他のウィーズリー家の兄弟と同様に、燃えるような赤毛とそばかすが特徴です。父親に似て背が高く痩せており、角縁の眼鏡をかけています。 彼の性格は、野心的で規則を重んじることで知られています。彼は権威と秩序を尊重し、常に正しい手順を踏むことを好みます。その真面目すぎる性格と堅苦しい態度は、しばしば双子の弟たちから「完璧主義者のパーシー」と揶揄される原因となりました。彼はユーモアのセンスに欠け、自らの地位や権力を誇示する傾向があり、しばしば尊大で恩着せがましいと見なされていました。しかし、その根底には家族への愛情があり、最終的には過ちを認めて家族の元へ戻る誠実さも持ち合わせていました。

* 学業成績: パーシーは非常に優秀な魔法使いであり、O.W.L.試験 (ふくろう試験) では12科目で合格するという優れた成績を収めました。 * 変身術: 彼は変身術に長けており、ホグワーツの戦いではパイアス・シックネスとの決闘で、相手をウニに変えるという高度な変身術を披露しました。 * 決闘: 彼はホグワーツの戦いで死喰い人たちと渡り合うだけの決闘能力を持っていました。

* 監督生のバッジ: 5年生の時に授与された、彼の誇りの象徴。 * 首席のバッジ: 7年生の時に授与された、彼の権威と達成の証。 * ヘルメス (Hermes): 監督生就任祝いに両親から贈られたワシミミズク。

* ウィーズリー家: 家族を愛していましたが、父親の魔法省での地位の低さや家庭の経済状況に不満を抱いており、これが後の確執の根源となりました。特に、自由奔放なフレッドとジョージとは常に対立していました。フレッドの死は彼に深い悲しみをもたらし、家族との絆を再確認させるきっかけとなりました。 * ペネロピー・クリアウォーター (Penelope Clearwater): ホグワーツ在学時代の恋人。彼女も監督生でした。 * コーネリウス・ファッジ: パーシーが魔法省でキャリアを積む上で尊敬し、心酔していた人物。ファッジへの忠誠心が、彼を家族から引き離す原因となりました。 * ハリー・ポッター: 当初は弟の友人として接していましたが、家族との確執後は魔法省の立場から彼を公然と非難しました。ホグワーツの戦いで和解しました。

* パーシー (Percy): アーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人、「パーシヴァル (Percival)」の短縮形に由来する可能性があります。パーシヴァルは聖杯探求で知られており、これはパーシーの魔法省内での地位と成功の「探求」を象徴していると考えられます。 * イグナティウス (Ignatius): イエズス会の創設者である聖イグナティウス・デ・ロヨラに由来する可能性があります。彼は規律と秩序を重んじた人物であり、パーシーの性格と共通しています。また、これは魔法族に古くからある名前でもあります。

* J.K. ローリングによると、パーシーは後にオードリー (Audrey) という女性と結婚し、モリーとルーシーという二人の娘をもうけました。（Pottermore） * 映画版では、パーシーの家族との確執や和解の物語は大幅に省略されています。彼はホグワーツの戦いに登場しますが、原作のような劇的な和解シーンは描かれていません。