クアッフル

クアッフル (Quaffle) は、魔法界の人気スポーツであるクィディッチの試合で使用される3種類のボールのうちの1つです。鮮やかな赤色をしており、直径は約12インチ(約30.5センチメートル)で、マグルのサッカーボールとほぼ同じ大きさです。表面は継ぎ目のない革で作られています。

クアッフルの主な役割は、クィディッチにおける得点用のボールとして機能することです。

  • 得点: 追跡係 (チェイサー) はクアッフルをパスし合い、相手チームの3つのゴールフープのいずれかに投げ入れることを目指します。ゴールが成功すると、そのチームに10点が与えられます。番人 (キーパー) の役割は、自陣のゴールを通過させないようにクアッフルを防ぐことです。
  • 下降呪文 (Slowing Charm): 現代のクアッフルには、落とされた際にゆっくりと落下する魔法がかけられています。これは18世紀にデイジー・ペニフォールドによって考案されたもので、ボールがまるで水の中を沈むかのように落ちるため、追跡係が空中でキャッチしやすくなっています。この改良版は「ペニフォールド・クアッフル」として知られています。(クィディッチ今昔
  • 把持呪文 (Gripping Charms): クアッフルには把持呪文も施されており、追跡係ほうきを操縦しながらでも、片手で簡単にボールを掴むことを可能にしています。

クィディッチの初期には、単純な革のボールにストラップや指を入れる穴をつけたものが使われていましたが、これらは飛行中に片手で扱うには不便でした。 1711年、魔女のデイジー・ペニフォールドが、ボールに下降呪文をかけるという画期的なアイデアを思いつき、空中で扱いやすい「ペニフォールド・クアッフル」が誕生しました。この改良により、ゲームの戦術は大きく進化しました。 その後、泥だらけの競技場でも視認性を高めるためにボールの色は鮮やかな赤色に変更され、さらに掴みやすくするための把持呪文が追加されて現在の形になりました。(クィディッチ今昔

クアッフルは、ハリー・ポッターシリーズで描かれるすべてのクィディッチの試合において、中心的な役割を果たします。 シーカーであるハリー・ポッター自身は直接クアッフルを扱うことはありませんが、彼の友人やチームメイトであるアンジェリーナ・ジョンソンアリシア・スピネットケイティ・ベル、そして後に追跡係として優れた才能を発揮するジニー・ウィーズリーにとっては、試合の勝敗を左右する重要なボールです。ロン・ウィーズリーグリフィンドール寮チームの番人になった際には、彼の自信のなさと成長がクアッフルを巡る攻防の中で描かれました。 クアッフルを巡るプレーは、金のスニッチの探索と並行して進む、クィディッチの試合の主要なアクションを構成しています。

  • 映画での描写: 映画版では、クアッフルは原作の「継ぎ目のない」という描写とは異なり、表面にいくつかのくぼみや分割線があるデザインに変更されています。また、持ちやすいように4つの大きなへこみがつけられています。(映画設定)