ノルウェー・リッジバック種
基本情報
身体的特徴
ノルウェー・リッジバック種は、外見がハンガリー・ホーンテール種に似ていますが、最も顕著な違いは背中に沿って生えている漆黒の隆起です。肌の色も黒く、孵化したばかりの幼体は「しわくちゃの黒い傘」のように見え、とげとげしい翼、長い鼻、オレンジ色でピンポン玉のような目を持っています。 この種のドラゴンは、非常に強力な毒を持つ牙を有していることで知られています。ハリー・ポッターと賢者の石において、孵化したばかりのノーバートに噛まれたロン・ウィーズリーの手は、緑色に変色し、見る間に腫れ上がりました。また、非常に早い段階から火を噴く能力を持っており、ノーバートは孵化後まもなく、ルビウス・ハグリッドの髭を焦がしています。 卵は黒色で、他のドラゴンの卵と同様、孵化させるには極めて高い熱が必要です。
生態と習性
ノルウェー・リッジバック種は、現存するドラゴンの中でも最も希少な種の一つとされています。その気性は極めて攻撃的で、特に同種に対して強い敵意を示すため、生息域は非常に広範囲にわたります。 食性については、主に陸生の大型哺乳類を捕食しますが、他のドラゴンとは異なり、水中に生息する生物を捕食するという珍しい習性も報告されています。(幻の動物とその生息地)
物語における役割
ノルウェー・リッジバック種は、物語においてルビウス・ハグリッドが違法に孵化させたドラゴン、ノーバート を通じて重要な役割を果たします。
- 入手と孵化: ハグリッドはハリー・ポッターと賢者の石の物語中、ホッグズ・ヘッド・パブでフードを被った見知らぬ人物(その正体はヴォルデモートに寄生されたクィリナス・クィレル)からドラゴンの卵を賭けで手に入れます。彼はこれを小屋の暖炉で温め、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの三人が見守る中で孵化させました。
- 問題の発生: ノーバートと名付けられたドラゴンは急速に成長し、小屋で飼うにはあまりにも危険な存在となります。ロンが牙の毒で負傷したことをきっかけに、ハリーたちはハグリッドを説得し、ロンの兄であるチャーリー・ウィーズリーに助けを求めます。
- 後の判明: ハリー・ポッターと死の秘宝で、チャーリー・ウィーズリーからノーバートが実は雌であり、ノーベルタ (Norberta) と改名されたことがハリーに伝えられました。
名前の由来
- Norwegian (ノルウェーの): このドラゴンの原産地であるノルウェーに由来します。
- Ridgeback (背中に隆起を持つもの): この種を特徴づける、背中にある黒い隆起 (ridge) に由来します。
幕後情報
- ノルウェー・リッジバック種の一般的な生態や特徴に関する詳細情報の多くは、原作小説本編ではなく、J.K. ローリングが執筆した副読本 幻の動物とその生息地 に記載されています。
- 映画版『ハリー・ポッターと賢者の石』では、孵化したばかりのノーバートがCGでリアルに描かれ、その危険性と可愛らしさが視覚的に表現されました。