ピラミッド
基本情報
説明と歴史
エジプトに存在するピラミッドは、マグルが知る古代の王墓であると同時に、魔法界にとっても重要な意味を持つ建造物です。これらの巨大な墓は、墓荒らしから財宝やファラオの亡骸を守るため、古代エジプトの強力な魔法使いたちによって、複雑かつ致死的な呪いが幾重にもかけられています。 これらの呪いは非常に危険であるため、安全に内部を調査し、財宝を回収するには、専門的な知識と技術を持つ「呪い破り」と呼ばれる魔法使いが必要とされます。グリンゴッツ魔法銀行は、このような古代の墓から財宝を回収する業務のために呪い破りを雇用しており、ビル・ウィーズリーもその一人としてエジプトのピラミッドで働いていました。
物語における役割
ピラミッドが物語で最も重要な役割を果たすのは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』においてです。1993年の夏、ウィーズリー家は日刊予言者新聞のガリオンくじ大賞を受賞し、その賞金を使ってエジプトへ旅行し、当時現地で働いていたビル・ウィーズリーを訪ねました。 その際に一家がピラミッドの前で撮影した記念写真は新聞に掲載されました。この写真に写っていたロン・ウィーズリーの肩に乗っていたネズミのスキャバーズを、アズカバンで新聞を読んでいたシリウス・ブラックが目撃します。シリウスは、そのネズミが死んだはずの裏切り者、ピーター・ペティグリューの動物もどきの姿であることに気づき、脱獄を決意する直接のきっかけとなりました。この出来事は、第3巻の物語全体を動かす極めて重要な引き金となりました。 また、ロンはハリー・ポッターに宛てた手紙の中で、ピラミッド内部の探検がいかに楽しかったか、そして古代エジプトの魔法使いが遺した呪いについて興奮気味に語っています。
既知の区域
作中ではピラミッド内部の具体的な区域名は言及されていませんが、呪いのかけられた通路や墓室が存在することが示唆されています。ロン・ウィーズリーの手紙によれば、いくつかの墓ではミイラが暴れ出すような仕掛けもあったとされています。
幕後情報
- 映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、ウィーズリー家がピラミッドの前で撮影した「動く写真」が映像として具体的に描かれており、原作の描写を視覚的に補強しています。(映画設定)