ピーター・ペティグリューの杖

ピーター・ペティグリューの杖

ピーター・ペティグリューは生涯で少なくとも二本の杖を所有しました。

  • 第一の杖: ペティグリューがホグワーツ魔法魔術学校在学中から不死鳥の騎士団のメンバーとして活動していた時期まで使用していた杖です。この杖の材質、芯、長さに関する詳細な記述は原作にはありません。1981年にシリウス・ブラックと対峙した際に、ペティグリューが自身の死を偽装するために使用され、その後行方不明となりました。
  • 第二の杖: 1995年以降にペティグリューが使用した杖で、ヴォルデモート卿によって与えられました。この杖は栗の木 (Chestnut) 製で、長さは9と4分の1インチ、芯はドラゴンの心臓の琴線 (Dragon heartstring) です。ハリー・ポッターマルフォイの館でペティグリューから奪い取った際、この杖はもろい感触がしたと描写されています。
  • 第一の杖: ペティグリューはこの杖を使い、強力な爆発呪文で通りを吹き飛ばし、12人のマグルを殺害しました。この一件は、シリウス・ブラックに罪を着せ、自らの死を偽装するためのものでした。また、彼は動物もどき (Animagus) でしたが、その変身術の習得過程でもこの杖が使用されたと考えられます。
  • 第二の杖: この杖は、捕らえられたギャリック・オリバンダーがペティグリューのために作るよう強制されたものです。ペティグリューはこの杖を使い、ヴォルデモート卿の復活の儀式で自らの手を切り落としました。1998年、ハリーがペティグリューからこの杖を力ずくで奪ったことにより、杖の忠誠心はハリーに移りました。しかし、ハリーが使用した際、杖はなじまず、彼の魔法は以前より弱々しいものになりました。これは、杖の忠誠心が完全にハリーに与えられていなかったため、あるいは杖そのものがペティグリューの卑劣な性質に染まっていたためかもしれません。その後、杖はロン・ウィーズリーに渡され、ロンはハリーよりもうまく使いこなすことができました。

ペティグリューの第一の杖は、1981年に彼が裏切りを完了させた際に失われました。彼はシリウス・ブラックを追い詰められたように見せかけ、強力な呪文で大混乱を引き起こし、自らの指を切り落としてネズミの姿で下水道へ逃げ込みました。残されたのは、杖の所有者が死亡したことを示す証拠の一部として扱われました。 長い潜伏期間を経て、ペティグリューは1995年にヴォルデモート卿から新たな杖を与えられました。この第二の杖は、1998年の春にマルフォイの館の地下牢で起きた戦闘まで彼が使用しました。ハリー・ポッターロン・ウィーズリーが脱出を試みた際、ペティグリューはハリーに組み伏せられ、杖を奪われました。この出来事により、杖の所有権はハリーに移りました。 ハリーは自身のヒイラギの杖が壊れてしまったため、一時的にこの杖を使用しましたが、その性能に満足することはありませんでした。その後、ロンが自身の壊れた杖の代わりにしばらくこの杖を使用しました。この杖の最終的な行方については、物語の中で言及されていません。

ペティグリューの杖は、彼の裏切りと欺瞞の象徴として物語で重要な役割を果たします。第一の杖は、シリウス・ブラックが有罪となる決定的な証拠の一部となり、ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のプロットの根幹をなす出来事を引き起こしました。 第二の杖は、ハリー・ポッターと死の秘宝において杖の忠誠心という複雑な魔法の法則を探る上で重要な小道具となります。ハリーがこの杖を手にしても本来の力を発揮できないという事実は、魔法使いと杖の深いつながりを浮き彫りにし、彼が最終的にニワトコの杖の真の主となるための伏線としても機能しています。

  • 第二の杖の材質、芯、長さの詳細は、J.K. ローリングによって公式サイト(旧Pottermore)で明らかにされました。
  • 映画版『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、第二の杖はペティグリューのネズミとしての性質を反映したかのような、歪んで節くれだったデザインで描かれています。(映画設定)