ブラック家の家系図

• タイプ: 魔法のタペストリー、家系図
• 所有者: ブラック家、後にハリー・ポッター
• 製作者: 不明（ブラック家の先祖と推測される）

ブラック家の家系図は、グリモールド・プレイス十二番地の客間に飾られている、壁一面を覆うほど巨大なタペストリーです。非常に古く、色褪せており、ところどころ虫に食われた跡があります。 タペストリーには、中世にまで遡るブラック家の血統が金糸で精巧に刺繍されています。家系図の頂点にはブラック家のモットーである「Toujours Pur」（フランス語で「常に純血」の意、日本語訳は「純潔を重んじる」）が掲げられています。

この家系図は、単なる装飾品ではなく、自己更新機能を持つ魔法の物品です。

• 自動記録: ブラック家の者の誕生、結婚、死を自動的に記録し、家系図に追加・更新します。
• 勘当の表示: 家の価値観に背いた、あるいは「純血の裏切り者」と見なされた者は、家系図からその名が焼き消されます。この痕跡は、まるでタバコの火を押し付けたような、小さく黒い焦げ跡として残ります。
  • シリウス・ブラック: 家出し、家族の純血主義に反抗したため除名された。
  • アンドロメダ・トンクス: マグル生まれの魔法使いであるテッド・トンクスと結婚したため除名された。
• 物理的除去の不可: このタペストリーは永久粘着呪文によって壁に固定されており、物理的に取り外すことはできません。屋敷しもべ妖精のクリーチャーによれば、シリウス・ブラックの母親も剥がそうと試みましたが、失敗に終わっています。

このタペストリーは、何世紀にもわたってブラック家の邸宅に存在し、一族の歴史と純血への執着を記録してきました。家系図は、ブラック家がいかに多くの分家や他の純血の家系（マルフォイ家、レストレンジ家など）と婚姻関係を結んできたかを示しています。 シリウス・ブラックがハリー・ポッターにこの家系図を見せた際、勘当された多くの親族について語りました。この中には、シリウスを勘当後に経済的に支援したアルファード叔父も含まれていました。 家系図に最後に記された男子相続人は、シリウスの弟であるレギュラス・アークタルス・ブラックでした。女子の血筋は、ベラトリックス・レストレンジ（旧姓ブラック）、アンドロメダ・トンクス（旧姓ブラック）、そしてナルシッサ・マルフォイ（旧姓ブラック）へと続いています。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で初めて登場したこの家系図は、物語において重要な役割を果たします。

• 背景説明: ハリー・ポッターと読者に対して、ブラック家の歴史、純血主義思想、そして他の死喰い人との繋がり（特にマルフォイ家やレストレンジ家）を視覚的に説明する役割を担っています。
• キャラクターの掘り下げ: シリウス・ブラックが家族から孤立していた過去を明らかにし、彼のキャラクターをより深く理解する上で重要な情報源となります。
• 伏線: レギュラス・アークタルス・ブラック (R.A.B.) の存在を初めて示唆し、後の分霊箱をめぐる物語の重要な伏線となっています。彼の名前と没年（1979年）が、ハリー・ポッターがヴォルデモートの分霊箱の謎を解く手がかりの一つとなりました。

• 映画版では、この家系図は非常に詳細かつ芸術的にデザインされた小道具として登場します。（映画設定）
• J.K.ローリングが慈善オークションのために手描きした家系図が存在し、そこには書籍で言及されなかった一族のメンバーも含まれています。この手描き版は、後にPottermore（現在のWizarding World）で公開された詳細な家系図の基礎となりました。（作者設定、Pottermore）