マーピープル
概要
マーピープル (Merpeople) は、世界中の湖や海に生息する、知性を持った半人半魚の魔法生物です。彼らは独自の言語と文化を持つ共同体を形成しており、魔法省は彼らを「人間 (Being)」に分類しようとしましたが、マーピープル自身がウィゼンガモットへの出席義務などを嫌い、あえて「魔法動物 (Beast)」の地位に留まることを選択しました。彼らの言語はマーミッシュと呼ばれ、陸上では金切り声のように聞こえますが、水中では理解可能な言語となります。
身体的特徴
ホグワーツの大いなる湖に生息するマーピープルは、灰色がかった肌、長く野性的な暗緑色の髪、そして黄色い目をしています。歯は黄色く、所々欠けています。腰から下は大きな銀色の魚の尾になっており、水中での移動に長けています。多くは石を削って作った粗野な槍を携行しています。 スコットランドに生息するこの種族はセルキーと呼ばれ、伝統的な人魚のイメージほど美しくはありません。一方で、アイルランドのメロウやギリシャのサイレンなど、より人間に近い美しい外見を持つとされる種族も存在します。(『幻の動物とその生息地』)
文化と社会
マーピープルは、湖の底に粗雑な石造りの住居からなる村を築き、社会的な生活を営んでいます。彼らには族長(または女族長)を中心とした階級制度が存在するようです。大いなる湖の集落の女族長はマーカス (Murcus) という名で知られています。 彼らは魔法族に対して用心深いですが、アルバス・ダンブルドアのように、彼らの言語を理解し敬意を払う者とは協力関係を築くことがあります。プライドが高く、自分たちのルールや合意を厳格に守る性質を持っています。
物語における役割
マーピープルは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で重要な役割を果たします。1994年から1995年にかけて開催された三大魔法学校対抗試合において、彼らは第二の課題の協力者となりました。
- 彼らはダンブルドアの依頼を受け、各代表選手にとって最も大切な人物を人質として湖底の村に保護しました。
- 保護された人質は、ハリー・ポッターのためのロン・ウィーズリー、セドリック・ディゴリーのためのチョウ・チャン、ビクトール・クラムのためのハーマイオニー・グレンジャー、そしてフラー・デラクールのための妹ガブリエル・デラクールでした。
- 課題の最中、ハリーが自分の人質だけでなく、他の人質も救おうとした際には、彼らは槍を構えてそれを阻止しようとしました。これは、あくまで「自分の人質を救出する」という課題のルールを厳守させるための行動でした。
既知の種族
『幻の動物とその生息地』によれば、マーピープルには地域によって異なる種族が存在します。
呼称の語源
英語の “Merpeople” は、古フランス語で「海」を意味する “mer” と、「人々」を意味する “people” を組み合わせた言葉です。その名の通り「海の人々」または「水の人々」を意味し、彼らが知性ある存在であることを示しています。
幕後情報
- 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、マーピープルのデザインが原作よりも攻撃的で、サメや深海魚のような獰猛な特徴を持つ生物として描かれています。彼らの動きや声も、より威嚇的に表現されています。(映画設定)