片目の魔女の像
基本情報
記述と外観
ホグワーツ城の3階の廊下に立つ、実物大の魔女の石像。その名の通り、片方の目がなく、背中に大きなこぶがあるのが特徴である。管理人であるアーガス・フィルチは、この像が秘密の通路を隠していることを知っていたが、入り口の開き方を知らなかった。そのため、彼が入り口を見つけようと絶えずいじくり回した結果、像のこぶはすり減って滑らかになっていた。
魔法の特性と用途
この像は、ホグワーツ城とホグズミード村の菓子屋、ハニーデュークスの地下室とを結ぶ秘密の通路の入り口を隠している。像のこぶを杖で軽く叩き、呪文「Dissendium(ディセンディウム)」を唱えることで、こぶが開き、通路への滑り台が現れる。 通路の内部は狭く、土の匂いがする低いトンネルになっており、ハニーデュークスの地下室までは約1時間を要する長い道のりである。この通路は忍びの地図に記されている7つの秘密の通路のうちの1つである。
歴史
この通路の製作者は不明だが、少なくとも「いたずら仕掛け人」(リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリュー、シリウス・ブラック、ジェームズ・ポッター)の学生時代には存在していた。 フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーは1年生の時にこの通路を発見し、長年にわたりホグズミードへ行くために愛用していた。1993年、彼らは3年生になったハリー・ポッターに忍びの地図を譲り渡し、この通路の使い方を教えた。 しかし、第二次魔法戦争の最中である1997年から1998年にかけて、この通路は崩落してしまい、通行不可能となった。この事実は、ホグワーツの戦いの直前にネビル・ロングボトムによって語られている。
物語における役割
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人において、この像と通路は極めて重要な役割を果たす。ダーズリー家からホグズミード行きの許可証にサインをもらえなかったハリー・ポッターは、この通路を利用して村を訪れることができた。これにより、彼はシリウス・ブラックが自分の名付け親であるという重大な事実を立ち聞きすることになる。 ハリー・ポッターと死の秘宝では、通路が崩落していることが明かされる。これは、セブルス・スネイプ校長と死喰い人の支配下でホグワーツ城が厳重に封鎖され、かつての抜け道がもはや安全ではないことを象徴している。結果として、ダンブルドア軍団はアバーフォース・ダンブルドアが経営するホッグズ・ヘッド・パブからの新しい通路に頼ることになった。
幕後情報
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、片目の魔女の像は原作の記述よりも大きく、やや不気味なデザインで描かれている。ハリーが呪文を唱えると、像全体が動いて通路への入り口を開くという、よりダイナミックな演出がなされている。(映画設定)