スリザリン寮は、ホグワーツ魔法魔術学校の四人の創設者の一人、偉大なる魔法使いサラザール・スリザリンによって創設されました。スリザリンは、入学を許可する生徒の資質として、特に純血の家柄を重視しました。彼はマグル生まれの生徒が魔法を学ぶことに強く反対し、この意見の相違が他の創設者、特にゴドリック・グリフィンドールとの間に深刻な亀裂を生じさせました。最終的にスリザリンはホグワーツを去りますが、その際に城の奥深くに秘密の部屋を創り、マグル生まれを排除するための怪物（バジリスク）を棲まわせました。 スリザリン寮は、その評判通り、歴史上多くの闇の魔法使いを輩出してきました。その中でも最も悪名高いのが、スリザリンの正統な継承者であるトム・マールヴォロ・リドル、すなわちヴォルデモート卿です。この事実により、スリザリン寮全体が悪であるという偏見が魔法界に根付いています。
物語を通して、スリザリン寮は主人公ハリー・ポッターが所属するグリフィンドール寮の主要なライバルとして描かれます。ドラコ・マルフォイをはじめとする多くのスリザリン生が、ハリーたちに対して敵対的な態度を取ります。 組分け帽子は、ハリーの中にヴォルデモート卿の魂の一部（分霊箱）が存在することを見抜き、彼をスリザリンに組分けしようとしました。ハリー自身の強い意志によってグリフィンドールに選ばれましたが、この事実は彼の運命とスリザリンとの深い因縁を象徴しています。 しかし、全てのスリザリン生が悪というわけではありません。ホラス・スラグホーンのように闇の魔術に反対する者や、レギュラス・ブラックのようにヴォルデモート卿に反旗を翻した者もいます。特に、寮監であったセブルス・スネイプの複雑な忠誠心は、物語の最も重要な謎の一つでした。第二次魔法戦争の最終決戦であるホグワーツの戦いでは、一度は退避したスリザリン生の一部が、スラグホーンに率いられて援軍として戻ってきました。