『ハリー・ポッターと賢者の石』で初めて登場した際、その手触りは「まるで水を織り込んだよう」と表現されている。銀色がかった灰色の非常に薄い布で、液体のように滑らかに流れ、驚くほど軽い。 広げると、成人した魔法使いや魔女なら3人まで隠れることができるが、ハリー、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーが成長するにつれて、3人一緒に隠れるのは困難になっていった。
着用者を完全に不可視にする能力を持つ。これは、幻惑呪文や目をくらます呪文をかけられたり、デミガイズの毛で織られたりした一般的な透明マントとは一線を画す、真の透明マントである。
完全な不可視性を提供する一方で、いくつかの弱点が存在する。
『吟遊詩人ビードルの物語』に収められた「三人兄弟の物語」によれば、このマントはペベレル三兄弟の末弟、イグノタス・ペベレルが死から授かったものとされる。彼は死から身を隠すためにこのマントを求め、長い生涯を全うした後に死を旧友として迎えた。 史実としては、イグノタスが極めて強力な魔法使いであり、自らこのマントを制作したと考えられている。マントはイグノタスの子孫に代々受け継がれ、最終的にゴドリックの谷に住むポッター家に伝わる家宝となった。 ハリー・ポッターの父であるジェームズ・ポッターが最後の所有者だったが、彼は死の秘宝の伝説を探求していたアルバス・ダンブルドアにマントを見せた。その直後、ポッター夫妻はヴォルデモート卿に殺害され、ダンブルドアがマントを預かることになった。1991年のクリスマス、ダンブルドアは匿名でハリーにマントを返却した。
初期の物語では、ハリーがホグワーツの規則を破り、夜中に城を探索するための冒険の道具として機能した(例:禁書の棚への侵入、みぞの鏡との遭遇、ハグリッドの小屋への訪問など)。 物語が進むにつれて、マントは単なる冒険の道具から、命を守るための重要なツールへと変化する。死喰い人からの逃走や、分霊箱を探す旅において不可欠な役割を果たした。 最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、このマントが三大秘宝の一つであることが判明し、物語の核心に深く関わる。ハリーは、秘宝を支配して死を制する道ではなく、分霊箱を破壊する道を選ぶ。マントは、権力を求めず知恵を選んだ先祖イグノタス・ペベレルの象徴として描かれている。