ジャラシー

ナギニ

ナギニ (Nagini) は、当初は血の呪いを受けた人間の女性(マレディクタス)でしたが、最終的に巨大な蛇の姿に永久に変身し、ヴォルデモート卿の最も忠実な僕であり、彼の魂の器 (ホークラックス)の一つとなった生物です。彼女の人間としての背景は『ファンタスティック・ビースト』シリーズで描かれ、蛇としての役割は『ハリー・ポッター』シリーズ本編の後半における重要な存在です。 なお、一部で人間時の彼女が「ジャラシー」という名前であるという情報が見られますが、これは公式設定ではなく、正規の名前は一貫してナギニです。

(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』映画設定)

  • 1927年、ナギニは自らの意思に反して蛇に変身する見世物として、パリの魔法サーカス「アルカヌス」に所属していました。彼女は、いずれ自身の姿が完全に蛇になってしまうという「血の呪い」を持つマレディクタスでした。
  • サーカスで、彼女は同じく孤独を抱えるクリーデンス・ベアボーンと親しくなります。二人は共にサーカスを脱走し、クリーデンスの出自を探す旅に出ました。
  • 彼女はゲラート・グリンデルバルドの危険な思想に反対し、彼の集会ではクリーデンスを引き留めようとしましたが、最終的にクリーデンスはグリンデルバルド側についてしまいます。ナギニはニュート・スキャマンダーらと共にその場を離れました。

(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ設定)

  • 美しい東アジア系の女性で、長く黒い髪を持っています。物静かで思慮深く、他者への共感能力が高い性格です。自身の運命に苦悩し、やがて人間性を失うことへの深い恐怖を抱いていました。
  • 「ハリーの太腿ほどもある」と描写される巨大な蛇で、体長は少なくとも12フィート(約3.6メートル)はありました。緑色の鱗を持ち、毒牙は非常に鋭いです。
  • 性格は極めて攻撃的で、主であるヴォルデモートに絶対的に忠実です。パーセルタングを解するヴォルデモートの複雑な命令を正確に実行できる高い知性を持っています。
  • マレディクタス (Maledictus): 生まれながらにして動物に変身する血の呪いを受けています。動物もどき (アニメーガス)とは異なり、この変身は最終的に不可逆的なものとなります。(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ設定)
  • 強力な毒 (Potent Venom): 彼女の毒は非常に強力で、魔法的な特性を持っています。彼女が与えた傷は、通常の手段では治癒が極めて困難です。
  • 魂の器 (Horcrux): ヴォルデモートの魂の一部を内包していたため、不死に近い存在となり、主人との間に強い精神的な繋がりを持っていました。
  • 「ナギニ (Nagini)」は、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の神話に登場する蛇神「ナーガ (Nāga)」の女性形です。ナーガはしばしば偉大な力を持つ蛇、特にキングコブラの姿で描かれ、神聖な存在とされています。
  • 人間時のナギニは、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)で初めて登場し、韓国人女優のクローディア・キムが演じました。
  • 作者のJ.K.ローリングは、ナギニがマレディクタスであるという設定は、かなり以前から構想していたと語っています。(Pottermore / 作者インタビュー)
  • 前述の通り、「ジャラシー (Jealousy)」という名前は、一部のファンコミュニティで誤って広まった非公式の名称であり、公式の書籍、映画、その他の資料において、彼女がそのように呼ばれたことは一度もありません。