ハリー・ポッターと賢者の石 (ゲーム)
基本情報
- タイプ (Type): アクションアドベンチャーゲーム
- 所有者 (Owners): 開発元・販売元に帰属
- 製造者 (Maker): 開発: KnowWonder (PC), Argonaut Games (PS1), Warthog Games (PS2/Xbox/GCN) 他、販売: エレクトロニック・アーツ (EA)
概要と外観
『ハリー・ポッターと賢者の石』は、J.K. ローリングの同名小説を原作とする最初の公式ビデオゲーム作品である。プレイヤーは主人公ハリー・ポッターを操作し、ホグワーツ魔法魔術学校での一年目を追体験する。 ゲームの「外観」はプラットフォームによって大きく異なる。2001年に発売された PlayStation 版は、当時としては標準的な3Dグラフィックスだが、キャラクターモデルのポリゴンが粗く、今日ではインターネット・ミームとして知られている。一方、2003年に発売された PlayStation 2、Xbox、ニンテンドーゲームキューブ 版は、グラフィックが大幅に向上し、より現実に近いホグワーツの描写がなされた。PC版や携帯機版もそれぞれ独自のグラフィックとレベルデザインを持っている。
魔法特性と用途
このゲームの「魔法特性」とは、そのゲームプレイシステムとインタラクティブな要素を指す。原作の魔法世界をプレイヤーが能動的に体験できる点が最大の特徴である。
- 魔法の習得と使用: プレイヤーは授業に出席することで新しい呪文を学ぶ。ゲーム内で使用できる主な呪文には以下のようなものがある。
- ウィンガーディアム・レヴィオーサ: 物体を浮遊させ、パズルを解くために使用する。
- アロホモラ: 施錠された扉や宝箱を開ける。
- インセンディオ: 特定の植物を燃やしたり、敵を攻撃したりする。
- フリペンド (Flipendo): このゲームで最も象徴的な呪文。物体を反転させたり、敵をノックバックさせたりする効果を持つ。これはゲームオリジナルの呪文であり、原作小説や映画には登場しない。(ゲームオリジナル)
- 探索と収集: ホグワーツ城内や敷地を自由に探索し、隠されたアイテムを発見する。
- バーティ・ボッツの百味ビーンズ: 主要な収集アイテム。集めることで秘密の部屋への鍵となったり、他のキャラクターと交換したりできる。(ゲーム設定)
- 蛙チョコレートのカード: 有名な魔法使いや魔女のカードを集める。コンプリートを目指すやりこみ要素の一つ。
- ミニゲーム: 物語の重要な場面は、ミニゲームとして再現されている。特にクィディッチの試合は、多くのバージョンで飛行アクションゲームとして楽しむことができる。
歴史
このゲームは、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』の公開に合わせて、2001年11月にエレクトロニック・アーツ社から発売された。幅広い層にリーチするため、当時主流だった複数のプラットフォーム(PC, PS1, GBC, GBA)で同時に、しかしそれぞれ異なる内容のゲームとして開発された。 2003年には、次世代機(PS2, Xbox, GCN)の普及に合わせて、グラフィックとゲームシステムを一新したリメイク版が発売された。このバージョンは、2001年版とは全く異なるゲームデザインとなっており、より広大なホグワーツの探索が可能になった。
在故事中的作用
このゲーム自体は原作の物語(カノン)には登場しないが、「ハリー・ポッター」という物語を世界中のファンに広める上で極めて重要な役割を果たした。書籍や映画とは異なり、プレイヤーが自ら魔法の世界に入り込み、呪文を唱え、ホグワーツを歩き回るという没入感あふれる体験を提供した。 また、原作のプロットをなぞりつつも、ゲームとして成立させるために多くのオリジナル要素が追加された。例えば、原作では数ページで終わる悪魔の罠やチェスの間が、広大なダンジョンや複数のパズルステージとして拡張されている。これにより、物語の解釈にゲームならではの広がりを与えた。ラスボスはクィリナス・クィレルの身体を乗っ取ったヴォルデモートである点は原作に忠実である。
幕後情報
- ゲームオリジナルの呪文フリペンドは、その覚えやすい名前と汎用性の高さから、初期の「ハリー・ポッター」ゲームシリーズを象徴する存在となった。後のゲーム作品でも度々登場したが、原作や映画で採用されることはなかった。(ゲーム設定)
- PlayStation版のキャラクター、特にルビウス・ハグリッドの3Dモデルは、その角ばった独特の見た目から「PS1 Hagrid」として有名になり、発売から長い年月を経てインターネット・ミームとして世界的な知名度を得た。(ゲーム文化)
- 発売された各プラットフォーム版は、単なる移植ではなく、開発チームも内容も異なる全く別のゲームである。例えば、PC版はパズル要素が強く、PlayStation版はアクション要素が強いなど、それぞれに独自の特色があった。