ロミルダ・ベイン

ロミルダ・ベイン

ロミルダ・ベイン (Romilda Vane) は、ハリー・ポッターより2学年下のグリフィンドール寮に所属するホグワーツ魔法魔術学校の女子生徒です。彼女はハリーの「選ばれし者」としての名声に強く惹かれ、彼に強烈な恋心を抱きます。物語における彼女の主な役割は、ハリーの英雄的な名声がもたらす表層的で厄介な側面を象徴することです。特に、惚れ薬を使ってハリーの気を引こうとした行動は、意図せずしてロン・ウィーズリーの命を危険に晒す深刻な事態を引き起こしました。しかし、第二次魔法戦争ではダンブルドア軍団の一員として戦う勇敢な一面も見せました。

  • 外貌
    • 彼女は大きな黒い瞳、突き出た顎、そして長く黒い髪を持つ、「大胆な顔つき」の少女として描写されています。
  • 性格
    • 表層的かつ衝動的: 彼女はハリー・ポッターという個人ではなく、「選ばれし者」という彼の名声や地位に惹かれていました。彼女のハリーへの執着は、彼の内面への理解を伴わない、極めて表面的なものでした。
    • 大胆不敵: 彼女はホグワーツ特急で直接ハリーを誘ったり、惚れ薬という禁じ手に頼ったりするなど、目的のためには大胆な行動を取ることを厭いません。
    • 倫理観の欠如: 他人の意思を無視して惚れ薬を使おうとする行為は、極めて非倫理的であり、魔法の危険な誤用です。ハーマイオニー・グレンジャーは彼女のこの行動を強く非難しました。
    • 勇敢: その一方で、ホグワーツの戦いに自ら参加したことから、彼女にはグリフィンドール生らしい勇敢さと、ダンブルドア軍団への忠誠心があったことが示唆されています。
  • 惚れ薬入りのかぼちゃチョコレート (Love Potion-laced Chocolate Cauldrons): ハリーを自分に惚れさせるために用意した魔法の道具。このアイテムが、物語の中で一連の騒動を引き起こす原因となりました。
  • ハリー・ポッター: 彼女の熱狂的な崇拝と恋愛感情の対象。しかし、ハリーは彼女の浅薄な動機と強引なアプローチを迷惑に感じ、一貫して避けていました。
  • ロン・ウィーズリー: 彼女の惚れ薬の偶発的な被害者。ロンは薬の効果で一時的に彼女に夢中になりましたが、解毒後は彼女に対して良い感情を抱いていませんでした。
  • ハーマイオニー・グレンジャー: ハーマイオニーは、ロミルダが惚れ薬を使うことを「ちっとも面白くない」と断じ、その非倫理性を厳しく批判していました。
  • ジニー・ウィーズリー: ロミルダはジニーを通じてハリーの情報を得ようとしましたが、ジニーは彼女の表面的な興味を見抜き、冷たくあしらいました。
  • ダンブルドア軍団: 彼女はこの組織の一員であり、仲間と共に戦いました。この関係は、彼女の性格の多面性を示しています。
  • Romilda: ゲルマン語由来の名前。「hrom」(名声)と「hild」(戦い)を組み合わせたもので、「名高き戦乙女」といった意味を持ちます。これは、彼女が「名声」あるハリーを追い求めたこと、そして最終的に「戦い」(ホグワーツの戦い)に参加したことを示唆している可能性があります。
  • Vane: 「風見鶏 (weather vane)」を意味する言葉に関連し、風向き次第で方向を変えるもの、つまり流行や権威に流されやすい人物像を暗示していると考えられます。また、「うぬぼれた、虚栄心の強い」を意味する「vain」とも音が似ており、彼女の性格の一面を的確に表しています。
  • 映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、女優のアナ・シェイファー (Anna Shaffer) がロミルダ・ベインを演じました。映画でも、原作同様にハリーに積極的に言い寄る人物として描かれています。(映画の設定)