魔法薬の材料屋
基本情報
解説と歴史
魔法薬の材料屋 (Apothecary) は、ダイアゴン横丁に位置する、魔法薬の調合に必要なあらゆる材料を販売する専門店です。ホグワーツ魔法魔術学校の生徒たちが学用品を揃える際には、欠かせない店のひとつです。 店の中は薄暗く、床に置かれた樽に入ったぬるぬるしたものや、棚にずらりと並んだハーブ、干し草の根、色鮮やかな粉薬の入った瓶で埋め尽くされています。天井からは羽の束、牙の紐、もつれた鉤爪などが吊り下げられています。この店を特徴づけるのは、腐った卵と傷んだキャベツを混ぜたような、強烈で不快な悪臭です。 ハリー・ポッターが11歳で初めてこの店を訪れた際には、1本21ガリオンもする銀色のユニコーンの角や、一さじ5クヌートの黒くきらめくカブトムシの目玉などが販売されていました。店は常に多種多様な在庫を揃えており、ベゾアール石のような希少な品も扱っています。店の歴史は詳しく語られていませんが、ダイアゴン横丁で古くから営業している老舗の一つであると考えられます。
物語における役割
この店は、物語の魔法の世界観、特に魔法薬学の奇妙で魅力的な側面を読者に紹介する上で重要な役割を果たします。
- ハリー・ポッターと賢者の石: ハリー・ポッターがルビウス・ハグリッドと共に初めて訪れ、魔法界の奇妙な材料を目の当たりにします。この場面は、ハリーと読者が魔法の世界の深さに触れる最初の体験の一つとなりました。
- ハリー・ポッターと秘密の部屋: ハーマイオニー・グレンジャーがポリジュース薬を調合するために、この店で手に入るはずのバイコーンの角やブームスラングの皮を必要としました。彼女は結局セブルス・スネイプの研究室から材料を盗みましたが、このことは、店で売られている材料の中には高価であったり、生徒が購入するには制限があったりすることを示唆しています。
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人: ハリーが学期の開始前に漏れ鍋に滞在している間、学用品を揃えるためにこの店を訪れています。
- ハリー・ポッターと謎のプリンス: ホラス・スラグホーンの授業を受けるために、ハリーとロン・ウィーズリーが基本的な材料を買いに立ち寄りました。上級魔法薬の調合には、この店で売られているより高度で希少な材料が必要となります。
既知のエリア
- 店内 (Shop Floor): 顧客が立ち入ることのできる唯一のエリア。壁一面の棚や天井から吊るされた無数の材料が陳列されており、独特の雰囲気を醸し出しています。
舞台裏情報
- 原作小説では店に固有の名称はなく、単に「魔法薬の材料屋 (the apothecary)」と呼ばれています。スラグ&ジガ―薬局 (Slug & Jiggers Apothecary) という名前は、映画化された際に付けられた設定です。(映画設定)