死の秘宝
基本情報
記述と外観
「死の秘宝」は、魔法界の古い物語『吟遊詩人ビードルの物語』に登場する三つの伝説的な魔法道具の総称である。それぞれの秘宝は独自の外観と特性を持つ。
- 蘇りの石 (the Resurrection Stone): 黒い石で、死の秘宝のシンボルが刻まれている。カドマス・ペベレルの子孫であるマールヴォロ・ゴーントが指輪にはめ込んでいた際に、中央にひびが入った。
- 透明マント (the Invisibility Cloak): 銀色で、まるで水で織ったかのように滑らかでしなやかな布地。着用者を完璧に不可視にする能力は時間と共に衰えることがなく、ほとんどの呪文を跳ね返す。
魔法の特性と用途
三つの秘宝は、それぞれが「死」を克服するというテーマに関連した強力な魔法を持つ。
- 蘇りの石: 死者を現世に完全に呼び戻すことはできないが、その持ち主が望む死者の「影」や「面影」を呼び出すことができる。呼び出された者は生者の世界に属さず、悲しみを帯びている。
三つの秘宝をすべて手にした者は「死を制する者 (Master of Death)」になると言われている。これは不死身になるという意味ではなく、死が避けられないものであることを理解し、恐れずに受け入れる賢者を指す、とアルバス・ダンブルドアは解釈した。
歴史
「死の秘宝」の起源は、『吟遊詩人ビードルの物語』に収められた「三人兄弟の物語」で語られている。
- 起源: ペベレル家の三兄弟が危険な川を渡るため魔法で橋を架けたところ、彼らの腕前に感心したと同時に騙されたことに腹を立てた「死」が現れた。「死」は三人を称えるふりをして、それぞれに望む褒美を与えると言い、三つの秘宝が生まれた。
- ニワトコの杖: 長男アンチオク・ペベレルが手に入れたが、その力を自慢したため、その夜のうちに殺害され杖を奪われた。以来、杖は力ずくで所有者を変え、血塗られた歴史を辿った。著名な所有者にはゲラート・グリンデルバルドやアルバス・ダンブルドアがいる。
- 透明マント: 末弟イグノタス・ペベレルが謙虚に「死から隠れられる物」として手に入れた。彼はマントを使い「死」から身を隠し続け、天寿を全うした。マントはイグノタスの子孫に代々受け継がれ、最終的にジェームズ・ポッターを経て息子のハリー・ポッターに渡った。
物語における役割
「死の秘宝」は、シリーズ第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』の物語の中核をなす。