魔法使いのチェス
基本情報
- タイプ (Type): 魔法のボードゲーム
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外観
魔法使いのチェスは、マグルのボードゲームであるチェスの魔法版です。最大の違いは、駒が魔法によって生きており、プレイヤーの音声による指示に従って自ら盤上を移動する点にあります。駒たちはある程度の知性を持ち、プレイヤーに助言をすることもありますが、最終的な決定権は常にプレイヤーにあります。 駒の外観はセットによって様々です。例えば、ロン・ウィーズリーが所有していたセットは、祖父から受け継いだ古くて傷だらけのものでした。一方、『ハリー・ポッターと賢者の石』で賢者の石を守るために設置された巨大なチェス盤の駒は、人間ほどの大きさがある黒と白の石でできていました。 このゲームの最も特徴的な側面の一つは、駒が相手の駒を取る際の挙動です。単に相手の駒を盤上から取り除くのではなく、文字通り相手の駒を物理的に攻撃し、粉々に破壊します。このため、ゲームは非常に荒々しいものになることがあります。
魔法特性と用途
魔法使いのチェスの駒には、プレイヤーの指示を理解し実行するための高度な魔法がかけられています。プレイヤーは「ナイトをE5へ」のように、駒の名前と移動先を声に出して指示します。 駒たちは独自の個性や感情を持っているかのように振る舞い、プレイヤーとの信頼関係が重要となります。信頼していないプレイヤーの言うことを聞かない駒もいるとされています。ロン・ウィーズリーのように優れたプレイヤーは、駒たちの信頼を勝ち取り、その能力を最大限に引き出すことができます。 主な用途は娯楽ですが、ホグワーツ魔法魔術学校では、ミネルバ・マクゴナガル教授によって賢者の石を守るための防衛装置として、実物大の魔法使いのチェスが仕掛けられました。
歴史
魔法使いのチェスの正確な起源や発明者については、原作では言及されていません。しかし、ロン・ウィーズリーのセットが何世代にもわたって受け継がれていることから、魔法界では古くから親しまれている人気の娯楽であることが示唆されています。
物語における役割
魔法使いのチェスは、物語、特に『ハリー・ポッターと賢者の石』において極めて重要な役割を果たします。
- ロン・ウィーズリーの才能の証明: このゲームは、普段はハリー・ポッターやハーマイオニー・グレンジャーの影に隠れがちなロン・ウィーズリーが、卓越した戦略家であることを示す重要な要素です。彼のチェスの腕前は、友人たちからも高く評価されています。
- 賢者の石への試練: 物語のクライマックスで、ハリー、ロン、ハーマイオニーは、ミネルバ・マクゴナガルが仕掛けた実物大のチェスの試練に直面します。3人はそれぞれ黒い駒の役割を担い、命がけのゲームに挑まなければなりませんでした。
- ロンの自己犠牲: このゲームにおいて、ロンは勝利のために自らを犠牲にするという勇敢な決断を下します。彼はナイトとして動き、ハリーがキングにチェックメイトをかけるための道筋を作りました。この行為は、彼の友情の深さとグリフィンドール生としての勇気を示す象徴的な場面となりました。
幕後情報
- 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』で描かれた実物大のチェスの駒のデザインは、12世紀にスコットランドのルイス島で発見されたヴァイキングのチェス駒「ルイス島のチェス駒」に基づいています。(映画設定)