ホグワーツの肖像画
基本情報
- タイプ: 魔法の道具、魔法の芸術品
- 所有者: ホグワーツ魔法魔術学校
- 製作者: 様々な魔法画家
記述と外観
ホグワーツ城内に飾られている肖像画は、一見するとマグルが描いた普通の絵画と変わりません。しかし、これらは魔法の絵の具で描かれており、描かれた対象は単なる静的なイメージではありません。 肖像画の中の人物や生物は、描かれた時点での本人の人格や記憶の「痕跡」を保持しており、限定的ながらも意識を持っています。彼らは自身の額縁の中を自由に動き回り、近くの絵の住人と会話をしたり、さらには自分自身の別の肖像画が飾られている場所へ移動したりすることも可能です。その行動や口調は、モデルとなった人物の生前の性格を忠実に反映しています。
魔法の特性と用途
ホグワーツの肖像画は、その魔法的な性質により、装飾品以上の多様な役割を果たしています。
- 意思疎通と情報伝達: 肖像画は、生きている人間と会話することができます。これにより、伝言を伝えたり、特定の情報を共有したりするメッセンジャーとしての役割を担います。
- 助言者: 校長室には、歴代校長たちの肖像画が飾られています。これらの肖像画は、現職の校長に対して助言を与えるという重要な役目を負っています。生前の校長は、自身の肖像画と長い時間を過ごし、知識や人格を教え込むことで、死後も学校に貢献し続けることができます。
- 移動と監視: 肖像画の人物は、自身が描かれた別の絵へと移動できます。フィニアス・ナイジェラス・ブラックの肖像画はホグワーツ魔法魔術学校の校長室とグリモールド・プレイス十二番地の両方にあり、彼は二つの場所を行き来して情報を伝達する重要なスパイ役を果たしました。
物語における役割
ホグワーツの肖像画は、物語全体を通して重要な役割を果たします。
- 『謎のプリンス』で、アルバス・ダンブルドアは死の直前に自身の肖像画を完成させており、自分が死んだ後もセブルス・スネイプを導くための準備をしていたことが示唆されます。
- 『死の秘宝』において、アルバス・ダンブルドアの肖像画はセブルス・スネイプに指示を与え、ハリー・ポッターにグリフィンドールの剣を渡すための計画を導きました。また、アリアナ・ダンブルドアの肖像画が隠す通路は、ダンブルドア軍団のメンバーやホグワーツの戦いに参加する者たちの重要なライフラインとなりました。
幕後情報
- 魔法の肖像画をよりリアルにするためには、描かれる対象(魔法使いや魔女)が生前に自身の肖像画と多くの時間を過ごし、自らの知識や振る舞いを「教え込む」必要があります。これにより、肖像画は単なる動く絵ではなく、本人の人格の精巧なコピーとして機能します。(Pottermore)
- 映画版では、大階段の壁を埋め尽くす肖像画たちが互いに訪問し合ったり、井戸端会議をしたり、時には歌ったりする様子が視覚的に描かれ、ホグワーツ城の生き生きとした魔法的な雰囲気を強調しています。(映画版設定)