モデスティ・ラブノット・ゴールデン・スニジェット保護区
基本情報
- タイプ: 魔法生物保護区
- 場所: イングランド、サマセット州
- 重要な特徴: マグルから隠された広大な湿原、ゴールデン・スニジェット種の保護と繁殖を目的とする
解説と歴史
モデスティ・ラブノット・ゴールデン・スニジェット保護区は、イングランドのサマセット州に位置する、絶滅の危機に瀕した魔法生物ゴールデン・スニジェットを保護するために設立された広大な聖域です。この保護区の設立は、クィディッチの歴史と密接に関わっています。(出典:『クィディッチ今昔』) 13世紀、クィディッチの試合で、生きたゴールデン・スニジェットを捕獲する競技が導入されました。1269年に当時の魔法使い評議会議長であったバーバラス・ブラッジが、スニジェットを捕らえた選手に150ガリオンの賞金を懸けたことで、スニジェットの乱獲が激化し、その個体数は激減しました。 この状況を変えるきっかけとなったのが、ゴドリックの谷出身の魔女、モデスティ・ラブノットです。彼女はある試合で、選手たちに追い回され、握りつぶされそうになっているスニジェットを見ていられなくなり、観客席からピッチに乱入しました。彼女は召喚呪文を使ってスニジェットを救出し、その場から逃走しました。この行為により彼女は10ガリオンの罰金を科されましたが、彼女の行動は多くの魔法使いの良心に訴えかけ、スニジェット狩りに対する世論を変える一石を投じました。 14世紀半ば、モデスティ・ラブノットの行動に影響を受けたエルフリーダ・クラッグが魔法使い評議会の議長に就任すると、彼女はゴールデン・スニジェットを絶滅危惧種として保護することを宣言しました。そして、残されたスニジェットたちが安全に生息し、繁殖できる場所として、この保護区をサマセット州に設立したのです。 その後、ゴドリックの谷の魔法道具発明家ボウマン・ライトが、スニジェットの代わりとなる金属製のゴールデン・スニッチを発明したことで、クィディッチの試合で生きた鳥が使われることは完全になくなりました。
物語における役割
この保護区は、『ハリー・ポッター』シリーズ本編の物語には直接登場しません。しかし、公式補足本『クィディッチ今昔』において、クィディッチというスポーツの残酷な過去と、ゴールデン・スニッチが発明されるに至った経緯を説明する上で、不可欠な背景設定として機能しています。 また、この場所は魔法界における生物保護の意識の芽生えと倫理観の変遷を象徴するものであり、一人の魔女の勇気ある行動が歴史を動かした記念碑的な存在と言えます。
既知の区域
保護区がサマセット州の広大な湿原に位置すること以外、その内部の具体的な区画や施設に関する詳細な記述は知られていません。マグルの目を欺くため、強力なくらましの呪文や反マグル呪文で守られていると推測されます。
舞台裏情報
- この保護区に関する全ての情報は、J.K.ローリングがケニルワージー・ウィスプというペンネームで執筆した公式補足本『クィディッチ今昔』を典拠としています。