トム・リドルの日記は、ロンドンのヴォクソール・ロードにあるマグルの文房具店で購入された、何の変哲もない小さな黒い革張りの手帳です。表紙は古びており、裏表紙には「1943」という年号が金文字で記されています。中は白紙のページで満たされていますが、インクで何かを書き込むと、そのインクはページに吸い込まれて消え、日記に宿る記憶からの返事が現れるという魔法の特性を持っています。
この日記の最も重要かつ邪悪な特性は、それがヴォルデモート卿の最初の魂器 (ホークラックス) であるという点です。
トム・リドルの日記は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』における中心的なプロット装置です。これはハリー・ポッターが初めて遭遇し、破壊した魂器であり、この時点では彼もアルバス・ダンブルドアもその正体を完全には理解していませんでした。この出来事を通じて、ハリーと読者はヴォルデモート卿の過去と秘密の部屋にまつわる真実を知ることになります。また、日記を破壊したバジリスクの毒が魂器を破壊する有効な手段であることが判明し、後の魂器探しの旅において極めて重要な情報となりました。