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トム・リドルの日記

基本情報

記述と外観

トム・リドルの日記は、ロンドンのヴォクソール・ロードにあるマグルの文房具店で購入された、何の変哲もない小さな黒い革張りの手帳です。表紙は古びており、裏表紙には「1943」という年号が金文字で記されています。中は白紙のページで満たされていますが、インクで何かを書き込むと、そのインクはページに吸い込まれて消え、日記に宿る記憶からの返事が現れるという魔法の特性を持っています。

魔法の特性と用途

この日記の最も重要かつ邪悪な特性は、それがヴォルデモート卿の最初の魂器 (ホークラックス) であるという点です。

歴史

  1. 1943年: ホグワーツ魔法魔術学校の6年生だったトム・リドルが、嘆きのマートルの死を利用して最初にして唯一の学生時代の魂器としてこの日記を製作しました。
  2. 保管: 後にヴォルデモート卿となったリドルは、自身の最初の失踪前に、この日記を忠実な死喰い人であるルシウス・マルフォイに預けました。ヴォルデモートはこれを秘密の部屋を再び開くための巧妙な武器であると説明しましたが、魂器であるという本質は明かしませんでした。
  3. 1992年: 魔法省による闇の魔術のアイテムの家宅捜索を恐れたルシウス・マルフォイは、日記を厄介払いすると同時に政敵であるアーサー・ウィーズリーを貶めるため、ダイアゴン横丁フローリシュ・アンド・ブロッツ書店で、ジニー・ウィーズリーの古い変身術の教科書にこっそりと忍び込ませました。
  4. ジニーの憑依: 日記を手に入れたジニーは、自身の不安や秘密を書き綴り始め、すぐにリドルの記憶の虜となりました。日記に操られた彼女は秘密の部屋を再び開き、バジリスクを解き放ち、ホグワーツ城内に脅迫メッセージを残すなどの事件を引き起こしました。
  5. 破壊: 日記の邪悪な性質に気づいたジニーはそれをトイレに捨てようとしましたが、ハリー・ポッターが発見します。最終的にハリーは秘密の部屋でリドルの記憶と対峙し、フォーカスの助けを得てグリフィンドールの剣バジリスクを倒した後、その抜け落ちた牙で日記を突き刺しました。バジリスクの毒魂器を破壊できる数少ない物質の一つであり、日記に宿っていたヴォルデモートの魂の欠片は完全に破壊されました。

物語における役割

トム・リドルの日記は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』における中心的なプロット装置です。これはハリー・ポッターが初めて遭遇し、破壊した魂器であり、この時点では彼もアルバス・ダンブルドアもその正体を完全には理解していませんでした。この出来事を通じて、ハリーと読者はヴォルデモート卿の過去と秘密の部屋にまつわる真実を知ることになります。また、日記を破壊したバジリスクの毒魂器を破壊する有効な手段であることが判明し、後の魂器探しの旅において極めて重要な情報となりました。

舞台裏情報