金色のスニッチは、クルミほどの大きさの金色の金属球です。両側には一対の小さな銀色の翼が生えており、これを高速で羽ばたかせることで、素早く不規則に空中を飛び回ります。その動きは極めて俊敏で、クィディッチの試合中に肉眼で捉えることは非常に困難です。
クィディッチにおける役割
肉の記憶 (Flesh Memory)
ダンブルドアが遺したスニッチ
金色のスニッチは、かつてクィディッチで使用されていたゴールデン・スニジェットという絶滅危惧種の魔法鳥の代用品として開発されました。ゴールデン・スニジェットの乱獲を防ぐため、魔法使い評議会によって保護対象とされた後、ゴドリックの谷出身の優れた魔法金属細工師であるボウマン・ライトが、その鳥の動きと重さを再現した金属球を考案しました。これが金色のスニッチの始まりです(『クィディッチ今昔』)。 物語の中で特に重要な役割を果たすのは、1991年にハリー・ポッターがホグワーツでの初めてのクィディッチの試合(グリフィンドール対スリザリン)で捕らえたスニッチです。ハリーはこの時、スニッチを口で受け止め、ほとんど飲み込みそうになりました。 このスニッチは後にアルバス・ダンブルドアの手に渡り、彼は分霊箱の一つであったマールヴォロ・ゴーントの指輪から取り出した蘇りの石を内部に隠しました。 1997年、ダンブルドアの遺言により、このスニッチはハリーに遺贈されました。当初は開けることができませんでしたが、第二次魔法戦争の最終決戦において、ハリーがヴォルデモート卿と対峙する覚悟を決めた際、彼の唇に触れることで開き、中の蘇りの石を現しました。
金色のスニッチは、単なるクィディッチの道具としてだけでなく、物語全体において象徴的な役割を担っています。