キングス・クロス駅の九と四分の三番線
基本情報
- タイプ: 魔法のプラットフォーム、交通の要所
- 所有者 / 居住者: イギリス魔法省 (管理)、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒および職員 (主な利用者)
説明と歴史
キングス・クロス駅の九と四分の三番線は、ロンドンのキングス・クロス駅構内に隠された魔法のプラットフォームです。毎年9月1日午前11時に、生徒たちをホグワーツ魔法魔術学校へと運ぶ深紅の蒸気機関車、ホグワーツ特急がここから出発します。 このプラットフォームへ入るには、9番線と10番線を隔てる改札の間の、一見するとただの固いレンガの仕切り壁に向かってまっすぐ歩き、通り抜ける必要があります。ほとんどのマグルはこのプラットフォームの存在に気づかず、たとえ壁に突進しようとしても、単にぶつかって跳ね返されるだけです。魔法使いや魔女、そして彼らに付き添う家族だけがこの秘密の入口を通過できます。 プラットフォームは、学期の始まりと終わりには、山積みのトランクやフクロウが入った籠を載せた手押し車を押す生徒たち、そして別れを惜しむ家族で大変な賑わいを見せます。 このプラットフォームの正確な建設時期は原作小説では語られていませんが、何百人もの生徒をマグルの注意を引かずにホグワーツへ輸送するという課題への解決策として、19世紀に魔法省によって創設されたとされています (Pottermore)。
物語における役割
九と四分の三番線は、物語全体を通して重要な役割を果たす場所です。
- 始まりと終わりの舞台: 各学年の始まり(9月1日)と終わり(6月)を象徴する場所として、シリーズを通して繰り返し登場します。友人との再会や家族との別れ、そして成長の節目を描くための重要な舞台装置として機能します。
- 重要な出来事:
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』: 物語の最後、19年後を描いたエピローグの舞台となる。成長したハリーたちが自身の子供たちをホグワーツ特急で見送るシーンで、物語はここで感動的な結びを迎えます。
- 精神世界の象徴: 『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、ヴォルデモートに殺されかけたハリーが体験した臨死体験の場面は、明るく静まり返ったキングス・クロス駅のような場所でした。そこで彼はアルバス・ダンブルドアの魂と再会し、重要な選択をします。このことは、この場所が「旅立ち」や「移行」を象徴する重要なモチーフであることを示唆しています。
既知のエリア
舞台裏情報
- 作者の思い入れ: J.K. ローリングは、彼女の両親がキングス・クロス駅から出発する列車で出会ったため、この駅に個人的な思い入れがあると語っています。プラットフォームの番号は思いつきで選んだそうですが、後に9番線と10番線の間に壁があるのはユーストン駅の構造であり、実際のキングス・クロス駅では線路で隔てられていることに気づいたと述べています (作者インタビュー)。
- 現実世界のキングス・クロス駅: 現実のキングス・クロス駅には、九と四分の三番線を記念した撮影スポットが設置されています。壁に半分めり込んだ手押しカートが置かれており、世界中からのファンが訪れる人気の観光名所となっています。
- 映画での描写: 映画の撮影は実際のキングス・クロス駅で行われましたが、映像的な美しさから、実際の9番線・10番線エリアではなく、プラットフォーム4と5の間にあるアーチ状の壁がロケ地として使用されました (映画設定)。