ヘックス (Hex)

ヘックス(障害呪文)は、闇の魔術の一分野に分類される魔法の一種です。一般的に、その悪意と効果の深刻さにおいて、ジンクス (Jinx) よりは強く、呪い (Curse) よりは弱い中間的な位置づけとされています。 ヘックスの主な特徴は以下の通りです。

  • 効果の性質: 対象に不快感、不便、あるいは一時的で厄介な外見の変化をもたらすことを目的とします。ジンクスが主に軽い妨害や苛立ちを引き起こすのに対し、ヘックスはより持続的で顕著な影響を与える傾向があります。
  • 悪意の度合い: 使用には明確な悪意が伴いますが、許されざる呪文のような、深刻な危害や死をもたらす「呪い」とは区別されます。
  • 用途: 決闘やいたずら、あるいは相手を不快にさせる目的で使用されます。

原作には、ヘックスに分類される、あるいはその性質を持つ呪文がいくつか登場します。

ヘックスは、ホグワーツ魔法魔術学校闇の魔術に対する防衛術の授業で、その危険な性質と防御方法が教えられます。多くのヘックスは、基本的な防御呪文で対処することが可能です。

  • 防御呪文: 盾の呪文であるプロテゴは、多くのヘックスが術者の身体に直接作用する前に弾くことができます。
  • 反対呪文: フィニート・インカンターテムのような一般的な反対呪文は、既にかかってしまったヘックスの効果を解除するのに有効です。

英語の “Hex” は、ドイツ語で「魔女の術を使う」を意味する “hexen” に由来します。この言葉は「魔女」や「呪いをかける行為」と関連が深く、悪意のある魔法を指す一般名詞として定着しています。

  • 作中において、「ジンクス」、「ヘックス」、「呪い」の三つの分類は、読者に対して常に明確に定義されているわけではありません。『不死鳥の騎士団』で、フィリウス・フリットウィック教授がピーブズを追い払おうとした際に「ジンクスをかけ、ヘックスをかけ、呪いをかけた」と述べる場面があり、魔法使いの世界では威力や悪意の度合いによってこれらの魔法が階層的に区別されていることが示唆されています。
  • 一部の『ハリー・ポッター』関連のビデオゲームでは、プレイヤーが使用できる攻撃魔法のカテゴリとして「ヘックス」が設定されていることがあります。(ゲーム設定)