アストロノミーの塔の戦い
概要
アストロノミーの塔の戦いとは、第二次魔法戦争における重要な転換点となった戦いです。1997年6月30日の夜、死喰い人がドラコ・マルフォイの手引きによってホグワーツ魔法魔術学校に侵入し、不死鳥の騎士団およびダンブルドア軍団のメンバーと衝突しました。この戦いは、アルバス・ダンブルドア校長の死という悲劇的な結末を迎え、魔法界全体に大きな衝撃を与えました。
背景
ヴォルデモート卿は、ルシウス・マルフォイの失態を罰するため、その息子であるドラコ・マルフォイに対し、アルバス・ダンブルドアを殺害するという極めて困難な任務を課しました。ドラコの母ナルシッサ・マルフォイは息子の身を案じ、セブルス・スネイプに助けを求めました。スネイプは、ドラコを護り、彼が任務に失敗した際には自らが手を下すという破れぬ誓いを結びます。 ドラコは1996年から1997年にかけての学年度中、必要の部屋に隠されていた姿をくらますキャビネット棚を修理することに専念しました。このキャビネット棚は、ボージン・アンド・バークスにある対のものと繋がっており、死喰い人を厳重に警備されたホグワーツ城内へ直接侵入させるための唯一の手段でした。 戦いの直前、ダンブルドアとハリー・ポッターはヴォルデモートの分霊箱の一つを発見・破壊するため、遠方の洞窟へ赴いていました。彼らがホグズミード村へ帰還したとき、アストロノミーの塔の真上に闇の印が浮かんでいるのを発見します。これは死喰い人がダンブルドアをおびき寄せるために仕掛けた罠でした。
戦闘の経過
アストロノミーの塔での対峙
分霊箱を守るための魔法薬によって著しく衰弱していたダンブルドアは、ハリーと共にアストロノミーの塔の頂上にたどり着きます。そこで待ち構えていたドラコ・マルフォイは、ダンブルドアの武装解除に成功し、無意識のうちにニワトコの杖の新たな所有者となります。 しかし、ドラコはとどめを刺すことをためらいます。その後、姿をくらますキャビネット棚を通って城内に侵入したアレクト・カロー、アミカス・カロー、フェンリール・グレイバックといった死喰い人たちが塔に到着し、ドラコに殺害を急かさせます。最終的に現れたのはセブルス・スネイプでした。ダンブルドアは「セブルス…頼む…」と懇願しますが、スネイプは「アバダ・ケダブラ」の呪文を唱え、ダンブルドアを殺害しました。ダンブルドアの遺体は塔から落下していきました。 この間、ハリーはダンブルドアが死の直前にかけた全身金縛りの術により、透明マントの下で身動きが取れず、ただ見ていることしかできませんでした。
ホグワーツ城内の戦闘
塔の上で対峙が繰り広げられている間、城の廊下では激しい戦闘が勃発していました。不死鳥の騎士団のメンバー(リーマス・ルーピン、ニンファドーラ・トンクス、ビル・ウィーズリー)と、幸運の液体(フェリックス・フェリシス)を飲んだダンブルドア軍団のメンバー(ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャー、ジニー・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、ルーナ・ラブグッド)が、侵入してきた死喰い人たちと戦いました。
- この戦闘で、ビル・ウィーズリーは人狼であるフェンリール・グレイバックに顔を切り裂かれ、重傷を負いました。
- ダンブルドアの死後、彼がハリーにかけていた呪文が解け、ハリーは逃走するスネイプとマルフォイを追跡します。
結末と影響
- アルバス・ダンブルドアの死:ヴォルデモートに対抗する最も偉大な魔法使いの死は、魔法界に計り知れない衝撃と絶望をもたらしました。
主要な参加者
不死鳥の騎士団とダンブルドア軍団
- アルバス・ダンブルドア (†)
- ビル・ウィーズリー (重傷)
死喰い人
- コーバン・ヤックスリー
- ソーフィン・ロウル
幕後情報
- 映画版での描写:映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、この戦いはより大規模に描かれています。(映画設定)
- ベラトリックス・レストレンジが大広間の窓を破壊し、闇の印を空に打ち上げるシーンは映画オリジナルの演出です。(映画設定)