スリザリンの談話室
基本情報
記述と歴史
スリザリンの談話室は、ホグワーツ城の地下牢に位置する、長く低いダンジョンのような部屋です。入り口は一見するとただの湿った石壁ですが、正しい合言葉を告げることで隠された石の扉が現れ、中に入ることができます。 部屋全体は、黒い湖の底に位置しているため、常に緑がかった神秘的な光に満たされています。天井からは鎖で吊るされた緑色のランプが灯り、壁や天井は荒削りの石でできています。室内には、精巧な彫刻が施された肘掛け椅子や、黒や深緑色の革で張られたソファが置かれています。暖炉には凝った彫刻のマントルピースが備え付けられており、全体として荘厳でありながらも冷たい印象を与えます。 窓の外には黒い湖の水中が広がっており、時折大イカやその他の魔法生物が通り過ぎる様子を眺めることができます。この談話室は、創設者であるサラザール・スリザリンの蛇や水のエレメントへの親和性を反映しており、スリザリン寮が重んじる野心、伝統、そして権威を象徴する空間となっています。
物語における役割
スリザリンの談話室が物語で最も詳細に描かれたのは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』においてです。この時、ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーはポリジュース薬を使い、スリザリン生のクラッブとゴイルに変身して談話室への潜入に成功しました。彼らの目的は、ドラコ・マルフォイから「スリザリンの継承者」と秘密の部屋に関する情報を聞き出すことでした。 この潜入を通じて、読者は初めてスリザリン寮の内部の雰囲気や、生徒たちの間の純血主義的な会話、そしてマルフォイがマグル生まれのハーマイオニー・グレンジャーを激しく侮蔑している様子を目の当たりにします。この出来事は、スリザリン寮の閉鎖的な文化と価値観を浮き彫りにする重要な場面となりました。 その他の巻では、スリザリン生の拠点として言及されるものの、主人公たちが再び足を踏み入れることはありませんでした。
既知の区域
- 談話室本体 (Main Common Room): 学生たちが集い、交流し、学習する中心的な空間。
- 男子寮への通路 (Passageway to Boys' Dormitory): 談話室から男子生徒の寝室へと続く通路。
- 女子寮への通路 (Passageway to Girls' Dormitory): 談話室から女子生徒の寝室へと続く通路。
幕後情報
- Pottermoreの情報: J.K.ローリングはウェブサイトPottermore上で、スリザリンの談話室が陰鬱な場所ではなく、むしろ「水中の難破船のような神秘的な壮麗さ」を持つ空間として意図されていると明かしています。その荘厳な装飾は、寮生たちに力と重要性を感じさせるためのものです。(Pottermore)
- 映画での描写: 映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、談話室は非常に高い天井と巨大な石柱を持つ、より壮大で威圧的な空間として描かれました。壁にはサラザール・スリザリンの巨大な顔の彫刻や、蛇のモチーフがふんだんに用いられ、原作の持つ雰囲気を視覚的に強調しています。(映画設定)