デヴォン州
基本情報
- タイプ (Type): 郡 (イングランド南西部)
- 地点 (Location): イギリス南西部
記述と歴史
デヴォン州は、イギリス南西部に実在する郡であり、魔法界においても非常に重要な地域として描かれている。この地域は、特にウィーズリー家をはじめとするいくつかの著名な純血の魔法族の家族が住む場所として知られている。物語の中では、田園風景が広がるのどかな場所として描写されており、マグルの村に隣接して魔法族が独自のコミュニティを形成している。 この地域の中心的な魔法族の集落は、オッタリー・セント・キャッチポール村周辺に形成されている。隠れ穴 (The Burrow) と呼ばれるウィーズリー家の屋敷や、ディゴリー家、ラブグッド家の住居もこの村の近くに点在しており、魔法使いがマグルの目から隠れながらも互いに近接して暮らしている様子がうかがえる。また、広大な荒野であるダートムーアもデヴォン州に位置しており、魔法省が大規模なイベントのために利用することがある。
物語における役割
デヴォン州は、ハリー・ポッターの物語全体を通じて、安らぎの場所と激しい戦いの舞台という二重の役割を担っている。
- クィディッチ・ワールドカップの開催地: 1994年、第422回クィディッチ・ワールドカップがデヴォン州のダートムーアで開催された。ウィーズリー家とハリーたちは、オッタリー・セント・キャッチポール村近くのストーツヘッドの丘からポートキーを使って会場へ向かった。このイベントは、ヴォルデモート卿の復活を予兆させる死喰い人による襲撃事件で幕を閉じ、物語の転換点となった。
- ラブグッド邸での出来事: 『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、ハリー、ロン、ハーマイオニーは死の秘宝に関する情報を得るため、デヴォン州にあるゼノフィリウス・ラブグッドの家を訪れる。この訪問は死喰い人の襲撃につながり、3人は辛くも脱出することになる。
既知の区域
- ダートムーア (Dartmoor): 1994年のクィディッチ・ワールドカップが開催された広大な荒野。
幕後情報
- 著者であるJ.K. ローリングはエクセター大学に通っており、エクセターはデヴォン州の主要都市である。作者自身の個人的なつながりが、この地域を物語の重要な舞台として選んだ理由の一つである可能性が示唆されている。
- 「オッタリー・セント・キャッチポール」という地名は、デヴォン州に実在する町「オタリー・セント・メアリー (Ottery St Mary)」から着想を得たと考えられている。これにクィディッチのボールであるゴールデン・スニッチを捕らえる (catch) ことを連想させる「キャッチポール (Catchpole)」を組み合わせた、魔法界らしい遊び心のある名前となっている。