クィディッチ・ワールドカップ (1994年)

  • タイプ (Type): スポーツイベント
  • 開催地 (Location): イギリス、ダートムーア近郊の荒野
  • 主催 (Organizers): 魔法省国際魔法協力部および魔法ゲーム・スポーツ部
  • 観客数 (Attendance): 約10万人
  • 決勝対戦国 (Finalists): アイルランド代表 vs. ブルガリア代表

1994年に開催された第422回クィディッチ・ワールドカップ決勝戦は、魔法界における数十年に一度の一大イベントでした。イギリスのダートムーアにある荒野で開催され、世界中から約10万人の魔女や魔法使いが集結しました。魔法省は、マグルに気づかれないよう、大規模な「マグル避け呪文」を施し、観客の移動には200個以上のポートキー (移動キー) を指定場所に設置するなど、前例のない規模の隠蔽工作を行いました。 会場となったキャンプサイトは、多種多様な魔法のテントが立ち並び、国際的な祝祭の雰囲気に包まれていました。アイルランドのシャムロックやブルガリアのビクトール・クラムのポスターで飾られたテントが混在し、商人たちはチームの応援グッズや高性能なオムニオキュラーなどを販売していました。このイベントは、魔法界の文化の多様性と国際的な繋がりを象徴するものでした。

このワールドカップは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の序盤における中心的な出来事です。ハリー・ポッターウィーズリー家ハーマイオニー・グレンジャーと共に観戦に訪れ、魔法界の広大さと興奮を初めて体験します。 このイベントを通じて、物語の重要なキャラクターが紹介されます。

試合後の祝賀ムードは、仮面をつけた死喰い人 (デスイーター) の一団がキャンプサイトを襲撃し、マグルの一家を宙吊りにして苦しめるという事件によって一変します。混乱のさなか、空には13年ぶりに闇の印 (ダーク・マーク) が打ち上げられ、ヴォルデモート卿の復活が近いことを予感させます。この事件は、シリーズ全体の物語がより暗い方向へ転換する重要なきっかけとなりました。また、事件現場でクラウチ家の屋敷しもべ妖精であるウィンキーが発見されたことは、後のバーティ・クラウチ・ジュニアの陰謀に繋がる伏線となっています。

  • キャンプサイト (Campsite): 何百もの魔法のテントが立ち並ぶ広大なエリア。ウィーズリー家は、外見は普通の二人用テントだが、中は広々とした魔法のテントを使用しました。世界中の魔法使いが交流する国際色豊かな場所でした。
  • 競技場 (The Stadium): 10万人の観客を収容できる巨大な黄金のスタジアム。最上階には「トップ・ボックス」と呼ばれる特別観覧席があり、ハリーたちはそこで魔法大臣コーネリウス・ファッジルシウス・マルフォイらと共に観戦しました。
  • 森 (The Woods): キャンプサイトに隣接する森。試合後、死喰い人が騒乱を起こした場所であり、ハリーが空に浮かぶ闇の印を目撃した場所でもあります。
  • ハリー・ポッターとクィディッチ・ワールドカップ』は、2003年にエレクトロニック・アーツから発売された同名のビデオゲームのタイトルでもあります。(ゲーム設定)
  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ワールドカップの試合展開は簡潔に描かれていますが、スタジアムの壮大なデザインやアイルランド代表のレプラコーンブルガリア代表のヴィーラによるマスコットのパフォーマンス、そして死喰い人の襲撃シーンは迫力ある映像で表現されています。(映画設定)
  • Pottermore (後のWizarding World) では、クィディッチ・ワールドカップの長い歴史に関する背景情報や、1994年の大会に至るまでの各試合の結果などが詳しく解説されています。(Pottermore)