マグル
定義と特徴
マグル (Muggle) とは、魔法族のコミュニティで使われる言葉で、魔法の力を持たずに生まれ、魔法使いの家系に属さない人間を指す言葉です。彼らは魔法界の存在を一切知らずに生活しており、その人口は魔法使いや魔女をはるかに上回ります。
- 魔法との関係: マグルは魔法を行使する能力を持たず、通常は魔法的な出来事を認識することもありません。ホグワーツ魔法魔術学校のような魔法が集中する場所では、マグルの電子機器(電気、コンピュータなど)は正常に機能しなくなります。
- 関連用語:
- スクイブ (Squib): 魔法族の両親から生まれながら、魔法の力を持たない人物。マグルとは出自が異なります。
- マグル生まれ (Muggle-born): マグルの両親から生まれながら、魔法の力を持って生まれた人物。ハーマイオニー・グレンジャーがその代表例です。
魔法界との関係
魔法界とマグル社会は、厳格な法律によって意図的に隔離されています。
- 秘密の保持: 国際魔法使い機密保持法により、魔法族はマグルに対して自らの存在や魔法の力を隠すことが義務付けられています。これに違反した場合、魔法省の専門部署(例: マグル製品不正使用取締局)が介入し、目撃したマグルの記憶は忘却術士 (Obliviator) によって消去されるのが一般的です。
物語における著名なマグル
- トム・リドル・シニア: ヴォルデモート(トム・マールヴォロ・リドル)の父親。裕福なマグルの家の息子でしたが、メローピー・ゴーントに惚れ薬を飲まされて結婚し、薬の効果が切れると妻子を捨てました。後に息子のトムによって殺害されます。
語源
J.K. ローリングによると、「Muggle」という言葉は、英語で「騙されやすい人、間抜け」を意味する「mug」という単語から派生したものです。彼女はこの言葉の響きを和らげるために、末尾に「-gle」を付け加えたと述べています。(作者のインタビューより)
幕後情報
- 2003年、「Muggle」という単語は、その文化的影響の大きさからオックスフォード英語辞典に正式に追加されました。
- アメリカ合衆国の魔法界では、マグルのことを ノー・マジ (No-Maj) と呼びます。これは “No Magic”(魔法なし)を短縮した言葉です。(映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の設定)