マグル

マグル (Muggle) とは、魔法族のコミュニティで使われる言葉で、魔法の力を持たずに生まれ、魔法使いの家系に属さない人間を指す言葉です。彼らは魔法界の存在を一切知らずに生活しており、その人口は魔法使い魔女をはるかに上回ります。

  • 魔法との関係: マグルは魔法を行使する能力を持たず、通常は魔法的な出来事を認識することもありません。ホグワーツ魔法魔術学校のような魔法が集中する場所では、マグルの電子機器(電気、コンピュータなど)は正常に機能しなくなります。
  • 対義語: 魔法の力を持つ人間は魔法使い (Wizard) または魔女 (Witch) と呼ばれます。
  • 関連用語:

魔法界とマグル社会は、厳格な法律によって意図的に隔離されています。

  • 秘密の保持: 国際魔法使い機密保持法により、魔法族はマグルに対して自らの存在や魔法の力を隠すことが義務付けられています。これに違反した場合、魔法省の専門部署(例: マグル製品不正使用取締局)が介入し、目撃したマグルの記憶は忘却術士 (Obliviator) によって消去されるのが一般的です。
  • 政府間の連携: 魔法界の最高権力者である魔法大臣は、マグル側の首相と秘密裏に連絡を取り合っており、魔法界で起きた重大事件がマグル社会に影響を及ぼす可能性がある場合に情報共有を行います。
  • 差別と偏見: 純血主義 を掲げる一部の魔法使い(マルフォイ家ブラック家など)は、マグルおよびマグル生まれの魔法使いを激しく見下しています。ヴォルデモート卿と彼の信奉者である死喰い人 (Death Eaters) は、マグルを支配、あるいは絶滅させることを目的として活動し、マグル生まれを侮蔑的に「穢れた血」 (Mudblood) と呼びました。

J.K. ローリングによると、「Muggle」という言葉は、英語で「騙されやすい人、間抜け」を意味する「mug」という単語から派生したものです。彼女はこの言葉の響きを和らげるために、末尾に「-gle」を付け加えたと述べています。(作者のインタビューより)

  • 2003年、「Muggle」という単語は、その文化的影響の大きさからオックスフォード英語辞典に正式に追加されました。
  • アメリカ合衆国の魔法界では、マグルのことを ノー・マジ (No-Maj) と呼びます。これは “No Magic”(魔法なし)を短縮した言葉です。(映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の設定)