マグル生まれ (Muggle-born) とは、両親が二人とも非魔法族、すなわちマグルである魔法族の個人を指す言葉である。彼らは純血や半純血の魔法使いや魔女と全く同等の魔法能力を持って生まれてくる。 この現象は、魔法の能力が優性遺伝子によって受け継がれるため発生すると説明されている。マグル生まれの家系を遡ると、過去にスクイブの祖先が存在し、その潜性遺伝子であった魔法の力が数世代を経て再び現れた結果であるとされる (Pottermore)。 物語における最も著名なマグル生まれのキャラクターには、ハーマイオニー・グレンジャーやハリー・ポッターの母であるリリー・ポッター (旧姓エバンズ) がいる。
魔法界の法律上、マグル生まれは他の魔法族と完全に平等の権利を持つとされている。しかし、特に古い純血の家系からは深刻な偏見に晒されることが多く、侮蔑的な差別用語である「穢れた血」という言葉で呼ばれることもあった。 この偏見は、ヴォルデモート卿が権力を握った時代に制度的な迫害へと発展した。
物語全体を通じて、マグル生まれに対する差別とその克服は、重要なテーマの一つとなっている。
マグル生まれであることは魔法能力の優劣に全く関係なく、歴史上多くの強力で優れた魔法使いや魔女を輩出している。
マグル生まれの存在は、魔法族の血統の純粋性を至上とする「純血主義」の思想と真っ向から対立する。