J.K.ローリングのインタビュー
基本情報
タイプ: 補足資料、二次的
正典 (Secondary Canon)
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発表媒体 (Mediums): 書籍、テレビ、ラジオ、ウェブサイト (
Pottermore を含む)、オンラインチャット、ドキュメンタリー、ソーシャルメディア (Twitter)
概要と正典における位置づけ
J.K.ローリングのインタビューとは、著者J・K・ローリングが小説『ハリー・ポッター』シリーズ全7巻の出版中および完結後に行った、作品の世界観に関する数多くの公的な発言や解説の総称です。これらは、小説本文では直接描かれなかったキャラクターの背景、魔法の法則の詳細、登場人物たちの後日談など、多岐にわたる情報を含んでいます。
これらの情報は、ファンコミュニティにおいて非常に重要視されていますが、正典 (Canon) としての扱いには注意が必要です。最も厳格な定義において、最高の権威を持つのは小説7巻の本文であり、インタビューで明かされた情報はそれに次ぐ「二次的正典」または補足情報と見なされます。著者の発言であっても、小説の内容と矛盾する場合には、小説の記述が優先されるべきというのが一般的な見解です。
明かされた主な情報
インタビューや公式サイトでの発表を通じて、物語の世界を豊かにする多くの詳細が提供されました。以下にその代表的な例を挙げます。
キャラクターの後日談:
キャラクターの背景設定:
魔法世界の法則:
分霊箱 (Horcrux) を作るためには、殺人の後にさらに特定の邪悪な呪文が必要であること。
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その他の情報:
歴史
J.K.ローリングによる情報開示の歴史は、シリーズの進行と共に変化してきました。
シリーズ執筆期 (1997年-2007年): この時期のインタビューは、主に次巻へのヒントや、作中の謎に関する著者の意図を語るものが中心でした。ファンサイト The Leaky Cauldron や Mugglenet との共同インタビューは特に有名です。
シリーズ完結直後 (2007年以降): 物語が完結したことで、著者はキャラクターたちの未来や、これまで語られなかった背景について、より自由に発言するようになりました。特に2007年のアメリカでのブックツアーで
アルバス・ダンブルドアのセクシュアリティについて言及したことは、世界的なニュースとなりました。
Pottermore と Wizarding World の時代: 著者が監修する公式サイト
Pottermore (後の Wizarding World) の登場により、インタビューでの断片的な情報開示から、より体系的で長文の背景ストーリーが発表される形に移行しました。
ソーシャルメディアの活用: 近年では、著者の公式Twitterアカウントがファンからの質問に答える場となり、リアルタイムで新たな情報が明かされることもあります。
ファンコミュニティにおける役割
これらのインタビューは、小説で描かれた物語の「外側」を想像し、議論するための共通の土台をファンに提供しました。キャラクターの誕生日や守護霊の呪文の形態といった細かな設定は、ファンによる創作活動や考察を大いに活発化させました。
一方で、後から追加された設定が、読者が小説から受けた印象と異なる場合もあり、ファンの間で議論を呼ぶことも少なくありません。特に、ファンタスティック・ビーストシリーズで描かれた内容が、過去の発言と整合性が取れないと指摘されることもあり、何が「真の正典」であるかについての議論は続いています。この詞条ウェブサイト「ハリーポッター大辞典」では、小説7巻を絶対的な第一資料として扱う方針を堅持しています。