ジェームズ・ポッター I世

ジェームズ・ポッター (James Potter) は、物語の主人公 ハリー・ポッター の父親であり、リリー・ポッター の夫です。彼は 不死鳥の騎士団 の一員であり、第一次魔法戦争で ヴォルデモート卿 に殺害されました。ホグワーツ魔法魔術学校 在学中、彼は親友たちと共に「忍びの四人組 (The Marauders)」を結成し、忍びの地図 の作成者の一人となりました。彼の愛称は プロングズ (プロングズ) で、牡鹿の 阿尼玛格斯 (Animagus) でした。ジェームズの遺産、特に彼の勇敢さと息子への愛は、物語全体を通して重要な役割を果たします。

ジェームズは1960年3月27日に、裕福な純血の魔法使いの家庭に生まれました。1971年に ホグワーツ魔法魔術学校 に入学し、グリフィンドール 寮に組分けされました。彼はすぐに シリウス・ブラックリーマス・ルーピン、そして ピーター・ペティグリュー と親友になりました。ジェームズは非常に優秀な生徒であり、特に 変身術 に才能を発揮しました。また、グリフィンドールクィディッチ チームでチェイサーとして活躍し、その才能で広く知られていました。 友人であるルーピンが人狼であることを知った後、ジェームズはシリウス、ピーターと共に、法に反して 阿尼玛格斯 になるための困難な魔法を習得しました。5年生までに、彼は牡鹿に変身できるようになり、変身したルーピンを支え、共に過ごすことができるようになりました。 学生時代のジェームズは、才能に恵まれている一方で、傲慢でいじめっ子な一面も持っていました。特に、セブルス・スネイプ は彼の主な標的でした。彼は リリー・エバンズ (後のリリー・ポッター) に恋をしていましたが、彼女は当初、彼の傲慢な態度を嫌っていました。しかし、7年生で男子首席 (首席) に選ばれた頃には、彼は大きく成長し、リリーも彼と交際を始めました。

ホグワーツ卒業後、ジェームズはリリーと結婚し、二人で 不死鳥の騎士団 に加わり、ヴォルデモート卿 と戦いました。彼らは ヴォルデモート卿 に三度も立ち向かい、生き延びた数少ない魔法使いでした。1980年7月31日に息子 ハリー・ポッター が誕生します。 しかし、シビル・トレローニー が予言した「闇の帝王を打ち破る者」がハリーである可能性が浮上したため、ポッター一家は ヴォルデモート卿 の標的となりました。一家は 忠誠の呪文 を用いて ゴドリックの谷 の隠れ家に身を隠しました。当初、秘密の守人シリウス・ブラック になる予定でしたが、シリウスの提案でより目立たない ピーター・ペティグリュー に変更されました。しかし、ペティグリューは ヴォルデモート卿 側のスパイであり、ポッター家の居場所を密告しました。 1981年10月31日、ヴォルデモート卿 が隠れ家を襲撃しました。ジェームズは杖を持たないまま ヴォルデモート卿 に立ち向かい、妻子が逃げる時間を稼ごうとしましたが、殺害されました。享年21歳でした。

ジェームズは、背が高く痩せ型で、ハリーと同じように、後ろが逆立つ癖のある黒髪をしていました。ヘーゼル色の瞳を持ち、丸い眼鏡をかけていました。多くの人からハンサムだと思われていました。 性格は、若い頃は非常に複雑でした。彼は非常に聡明で才能があり、友人に対しては極めて忠実でした。しかし同時に、非常に傲慢で自己顕示欲が強く、特に セブルス・スネイプ に対しては残酷ないじめを行っていました。しかし、シリウス・ブラックリーマス・ルーピン によれば、彼はホグワーツの最終学年にかけて大きく成熟し、責任感の強い勇敢な人物になったとされています。彼は家族を何よりも愛し、命を懸けて守りました。

  • リリー・ポッター (Lily Potter): 彼の妻。学生時代から深く愛しており、彼女の愛がハリーを守る古代魔法の源となりました。
  • ハリー・ポッター (Harry Potter): 彼の一人息子。ジェームズはハリーを守るために命を落としました。彼の姿は みぞの鏡蘇りの石 を通してハリーの前に現れます。
  • シリウス・ブラック (Sirius Black): 兄弟同然の親友。ハリーの名付け親でもあります。
  • リーマス・ルーピン (Remus Lupin): 親友の一人。ジェームズはルーピンが人狼であることに偏見を持たず、彼を支え続けました。
  • ピーター・ペティグリュー (Peter Pettigrew): かつての友人でしたが、後にポッター家を裏切り、ヴォルデモート卿 に売り渡しました。
  • セブルス・スネイプ (Severus Snape): 学生時代のライバルであり、いじめの対象でした。スネイプもリリーを愛していたため、二人の間の憎しみは非常に根深いものでした。
  • ジェームズ (James): ヘブライ語の「ヤコブ (Jacob)」に由来する伝統的な英語名で、「取って代わる者」を意味します。イギリス王室でも頻繁に使われる由緒ある名前です。
  • ポッター (Potter): 「陶工」を意味する一般的なイギリスの職業姓です。作者の J.K. ローリングは、幼少期の近所に住んでいたポッターという名前の家族が好きだったと語っています。
  • 映画版では、大人のジェームズをエイドリアン・ローリンズ (Adrian Rawlins) が、学生時代をロビー・ジャーヴィス (Robbie Jarvis) が演じています。(映画設定)
  • J.K. ローリングはインタビューで、ジェームズは若い頃に傲慢でいじめっ子だったことは事実だが、根は善良な人物であり、後に大きく成長して ヴォルデモート卿 と勇敢に戦ったと述べています。(作者インタビュー)
  • Pottermore によると、彼の杖に使われているマホガニー材は、強さと回復力を象徴しています。(Pottermore)