ホグワーツの創設者

ホグワーツの創設者 (Hogwarts Founders) とは、10世紀頃に活躍した中世で最も偉大な4人の魔法使い、ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、そしてサラザール・スリザリンを指す総称である。彼らは当時、マグルからの迫害が激化する中で、若き魔法使いたちが安全に魔法を学べる場所を提供するため、共同でホグワーツ魔法魔術学校を設立した。ホグワーツに存在する4つの寮は、彼ら創設者の名前に由来している。

4人の創設者は、その強大な魔法を用いて人里離れた場所にホグワーツ城を築き上げた。当初、彼らは協力し合い、それぞれが最も価値を置く資質（勇気、忠誠、知性、野心）を持つ生徒を選び、自身の寮で指導していた。 しかし、生徒の受け入れ基準を巡って、創設者たちの間に深刻な意見の対立が生じた。特にサラザール・スリザリンは、魔法教育は純血の家系にのみ与えられるべきだと強く主張し、他の3人、とりわけマグル生まれの生徒を擁護したゴドリック・グリフィンドールと激しく対立した。 この思想的な亀裂は修復不可能となり、最終的にスリザリンは学校を去ることになった。しかし、彼は去り際に、いつか城からマグル生まれの生徒を一掃することを願い、城の地下深くに秘密の部屋を秘密裏に建造した。その部屋には、彼の後継者だけが操れる怪物、バジリスクが隠されていた。 創設者たちは、自分たちが亡くなった後も生徒たちの組分けが公正に行われるよう、ゴドリック・グリフィンドールが所有していた帽子に4人全員で魔法をかけ、人格と知性を持つ組分け帽子を創り出した。

• ゴドリック・グリフィンドール (Godric Gryffindor)
  1. 出身地: 荒野。後にゴドリックの谷として知られるようになる村。
  2. 重視した資質: 勇気、困難に立ち向かう精神、気力、騎士道精神。
  3. 遺産:
     1. グリフィンドールの剣 (The Sword of Gryffindor): ゴブリンによって鍛えられた銀の剣。真のグリフィンドール生が助けを必要とするとき、組分け帽子の中から現れる。
     2. 組分け帽子 (The Sorting Hat): もともとは彼が所有していた帽子であり、彼の最も重要な遺産の一つである。
• ヘルガ・ハッフルパフ (Helga Hufflepuff)
  1. 出身地: 広い谷。
  2. 重視した資質: 忠誠、勤勉、忍耐、公正さ。彼女は、背景や能力に関わらず、全ての生徒を受け入れることを信条としていた。
  3. 遺産:
     1. ハッフルパフのカップ (Hufflepuff's Cup): 2つの持ち手がついた小さな金のカップ。後にヴォルデモート卿によって分霊箱の一つにされた。
     2. 料理に関する魔法: 彼女が考案した多くのレシピは、現在もホグワーツの饗宴で提供されていると言われている。また、屋敷しもべ妖精たちにホグワーツの厨房という安全な避難場所を提供した。（Pottermore）
• ロウェナ・レイブンクロー (Rowena Ravenclaw)
  1. 出身地: 渓谷。
  2. 重視した資質: 知性、機知、賢明さ、学習意欲。
  3. 遺産:
     1. レイブンクローの髪飾り (Ravenclaw's Diadem): 身に着けた者の叡智を高めるとされる伝説の髪飾り。彼女の娘であるヘレナ・レイブンクロー（灰色のレディ）によって盗まれ、後にヴォルデモート卿の分霊箱となった。
     2. ホグワーツの設計: 絶えず変化するホグワーツの動く階段や間取りは、彼女が設計したと伝えられている。（Pottermore）
• サラザール・スリザリン (Salazar Slytherin)
  1. 出身地: 沼地。
  2. 重視した資質: 野心、狡猾さ、機知に富むこと、そして何よりも純血の血統。
  3. 特殊能力: 蛇の言葉を解すパーセルマウスであり、パーセルタングを話すことができた。
  4. 遺産:
     1. スリザリンのロケット (Slytherin's Locket): パーセルタングでのみ開けることができる重い金のロケット。これもまたヴォルデモート卿の分霊箱にされた。
     2. 秘密の部屋 (The Chamber of Secrets): マグル生まれの生徒を抹殺するために城の地下に建造した、彼の最も暗い遺産。

• J.K. ローリングは、4人の創設者がそれぞれ四大元素（火、土、風、水）を象徴していると述べている。グリフィンドールが火、ハッフルパフが土、レイブンクローが風、そしてスリザリンが水に対応する。（作者インタビュー）
• Pottermore（後のWizarding World）の記述によれば、ゴドリック・グリフィンドールとサラザール・スリザリンはかつて親友であったが、純血主義を巡る対立によってその友情は引き裂かれたとされている。（Pottermore）