レイブンクローの髪飾り
基本情報
- 所有者 (Owners): ロウェナ・レイブンクロー (初代)、ヘレナ・レイブンクロー、トム・マールヴォロ・リドル (ヴォルデモート卿)、アルバス・ダンブルドア (一時的に保管)、ハリー・ポッター (一時的に所持)、ビンセント・クラッブ (意図せず破壊)
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外観
レイブンクローの髪飾りは、繊細で美しい銀色のティアラです。白鳥の形を模しており、きらめく青いサファイアが散りばめられています。その表面には、ロウェナ・レイブンクローの信条である「計り知れぬ英知は、我らが最大の宝なり」(Wit beyond measure is man's greatest treasure
) という言葉が刻まれています。
何世紀にもわたって隠されていたため、ハリー・ポッターが必要の部屋で初めて発見した際には、色褪せて古びた印象を与えました。分霊箱と化した後は、黒ずんで粘着質な物質に覆われ、邪悪な魔力を放っていました。
魔法特性と用途
- 本来の能力: この髪飾りを身に着けた者には、知恵と叡智がもたらされると信じられていました。レイブンクロー寮の生徒たちは、この伝説的な遺物を見つけることを長年夢見ていました。
- 分霊箱として: トム・マールヴォロ・リドルは、ヘレナ・レイブンクローの亡霊をそそのかして髪飾りの隠し場所を聞き出し、アルバニアの森で発見しました。彼は殺人によって自身の魂を裂き、この髪飾りを5番目の分霊箱に変えました。これにより、髪飾りは極めて強力な闇の魔術の防衛魔法で守られ、触れる者に邪悪な影響を与えるようになりました。
歴史
ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人、ロウェナ・レイブンクローが所有していたこの髪飾りは、母の知性と名声を妬んだ娘のヘレナ・レイブンクローによって盗み出されました。ヘレナは髪飾りを持ってアルバニアの森へ逃亡しましたが、母が差し向けた追手である血みどろ男爵に殺害されました。彼女は死ぬ直前、髪飾りを森の木のうろに隠しました。 それから数世紀後、ホグワーツの生徒だったトム・マールヴォロ・リドルが、レイブンクロー寮の亡霊(灰色の貴婦人)となっていたヘレナからこの話を聞き出します。彼は卒業後にアルバニアへ向かい、髪飾りを発見して分霊箱としました。その後、闇の魔術に対する防衛術の教授職を求めてホグワーツを再訪した際に、自分だけがその秘密を知っていると信じていた必要の部屋に髪飾りを隠しました。
物語における役割
髪飾りは、ヴォルデモート卿を滅ぼすためにハリー・ポッターが探し求めた最後の分霊箱の一つとして、物語の最終局面で極めて重要な役割を果たします。ハリーは灰色の貴婦人との対話を通じてその歴史と隠し場所を突き止めます。 ホグワーツの戦いの最中、ハリー、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーは必要の部屋で髪飾りを発見しますが、ドラコ・マルフォイ、ビンセント・クラッブ、グレゴリー・ゴイルに妨害されます。その際、クラッブが放った制御不能の悪霊の火によって、髪飾りは偶然にも破壊されました。この強力な呪いは分霊箱の魂の欠片を完全に消滅させると同時に、必要の部屋そのものも焼き尽くしました。
幕後情報
- 映画での描写: 映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、ハリーが教科書を隠す際に髪飾りがはっきりと映し出され、その重要性がより早期に暗示されています。(映画設定)
- 破壊シーンの変更: 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』では、髪飾りの破壊方法が原作と異なります。ハリーがバジリスクの牙で髪飾りを突き刺した後、ロン・ウィーズリーがそれを燃え盛る悪霊の火の中へ蹴り込んで破壊します。(映画設定)