不死鳥の騎士団
概要
不死鳥の騎士団 (Order of the Phoenix) は、ヴォルデモート卿と彼の追随者である死喰い人に対抗するために、アルバス・ダンブルドアによって創設・指導された秘密組織です。第一次魔法戦争と第二次魔法戦争の二度にわたって活動し、魔法界の自由と無辜の人々を守るための主要な抵抗勢力として機能しました。この組織は、魔法省の公式な管轄外で活動し、メンバーは自らの命を危険に晒しながら闇の勢力と戦いました。
基本情報
- 種類: ヴォルデモート卿に対抗するための秘密組織
- 創設者: アルバス・ダンブルドア
- 本部: グリモールド・プレイス十二番地 (第二次魔法戦争時)
歴史
第一次魔法戦争時代 (1970年代〜1981年)
騎士団は、ヴォルデモート卿が初めて権力を握った1970年代にアルバス・ダンブルドアによって結成されました。当時の魔法省は死喰い人の脅威に有効に対処できず、騎士団は独自の諜報活動と戦闘で彼らに対抗しました。 この時代の騎士団は、ジェームズ・ポッターとリリー・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピン、フランク・ロングボトムとアリス・ロングボトムなど、優秀で勇敢な魔女や魔法使いで構成されていましたが、多くの犠牲者を出しました。ピーター・ペティグリューの裏切りによりポッター夫妻が殺害され、ヴォルデモート卿が失墜した1981年をもって、第一次騎士団は事実上解散しました。
再結成と第二次魔法戦争 (1995年〜1998年)
1995年、ハリー・ポッターの血を使ってヴォルデモート卿が復活すると、ダンブルドアは直ちに騎士団を再招集しました。当初、魔法省はヴォルデモート卿の復活を頑なに否定したため、騎士団は秘密裏に活動せざるを得ませんでした。 再結成された騎士団は、シリウス・ブラックが提供したブラック家の屋敷であるグリモールド・プレイス十二番地を本部に設定しました。彼らの主な任務は、ヴォルデモート卿の計画を探り、神秘部に保管されていた予言を護衛し、そして何よりもハリー・ポッターを守ることでした。神秘部の戦い、天文台の塔の戦い、七人のポッターの戦い、そして最終決戦であるホグワーツの戦いに至るまで、騎士団は第二次魔法戦争の中心的な役割を担い、多くのメンバーが命を落としました。ヴォルデモート卿の最終的な敗北をもって、騎士団の使命は完了しました。
主なメンバー
第一次騎士団 (オリジナルメンバー)
- アルバス・ダンブルドア (創設者・指導者)
- ジェームズ・ポッター (†)
- リリー・ポッター (†)
- ピーター・ペティグリュー (裏切り者)
- フランク・ロングボトム (永久的な後遺症)
- アリス・ロングボトム (永久的な後遺症)
- マリーン・マッキノン (†)
- ギデオン・プルウェット (†)
- フェービアン・プルウェット (†)
- ドーカス・メドウズ (†)
- 他多数
第二次騎士団 (再結成メンバー)
- 第一次騎士団からの生存者全員に加え
- セブルス・スネイプ (二重スパイ)
- ニンファドーラ・トンクス (†)
- マンダンガス・フレッチャー (後に離反)
活動と理念
不死鳥の騎士団は、勇気、忠誠、そして自己犠牲の精神を重んじる組織です。彼らはヴォルデモート卿の掲げる純血主義に真っ向から反対し、マグル生まれの魔法使いやマグルそのものの権利と命を守るために戦いました。 活動は極秘裏に行われ、メンバー間の連絡には主に守護霊の呪文が用いられました。これは死喰い人に傍受されることのない、安全で高度な通信手段でした。騎士団は魔法省のように官僚的ではなく、少人数で機動的に動きましたが、その分、人的・物的資源は限られていました。
名前の由来
組織の名称は、アルバス・ダンブルドアの忠実なペットである不死鳥 (Phoenix) のフォークスに由来します。不死鳥は、死んでも灰の中から蘇る伝説上の生物であり、希望、再生、そして不滅の象徴です。この名前は、絶望的な状況にあっても決して屈せず、何度でも立ち上がるという騎士団の精神を完璧に表しています。また、不死鳥の歌が味方を鼓舞し、敵を恐怖させるように、騎士団の存在そのものが闇の勢力に対する抵抗の象徴でした。
舞台裏情報
- 原作小説の第5巻のタイトルは、ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 であり、この巻で騎士団の活動が中心的に描かれます。
- 映画版『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、アラスター・ムーディがハリーに第一次騎士団のメンバーが写った古い写真を見せる場面があります。これにより、原作では名前しか登場しなかった多くのメンバーの姿が視覚的に補完されました。(映画版)