ハーマイオニー・グレンジャーのビーズのハンドバッグ
基本情報
- 所有者: ハーマイオニー・グレンジャー
- 製作者: 不明(バッグ本体)、ハーマイオニー・グレンジャー(呪文の術者)
記述と外観
ハーマイオニー・グレンジャーが所有していた、紫色の小さなビーズで飾られたハンドバッグ(通称:伸び縮みするハンドバッグ)。外見はごく普通の夜会用バッグのように見え、手に軽く収まるほどの大きさです。しかし、その内部には極めて強力な検知不可能拡大呪文がかけられており、物理的な大きさをはるかに超える容量を持っています。
魔法特性と用途
このハンドバッグの最も重要な魔法特性は、内部の空間が外見よりも広大であることです。これにより、テント、大量の書籍、着替え、大鍋、薬品といった多種多様でかさばる物品を、その重さをほとんど感じさせることなく収納できます。 さらに、所有者が特定の品物を頭に思い浮かべるだけで、バッグの中からその品物が手元に出てくるという便利な機能も備えています。この機能により、緊急時でも必要なものを素早く取り出すことができました。 1997年から1998年にかけての分霊箱探しの旅において、このバッグには以下のような多数の重要アイテムが収納されていました。
歴史
ハーマイオニー・グレンジャーは、第二次魔法戦争が激化し、ヴォルデモート卿が魔法省を掌握する事態を予見していました。そのため、1997年の夏、ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式に出席する前に、いつ隠れ穴を離れることになっても対応できるよう、このハンドバッグに必要なものをすべて詰め込んで準備していました。 彼女の予想通り、結婚式は死喰い人に襲撃され、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人はその場から姿くらましで逃亡しました。その後、約一年間にわたる分霊箱探しの逃亡生活において、このバッグは彼らの生命線となりました。 最終的に、このハンドバッグは1998年の春、一行がマルフォイの館で捕らえられた際にスナッチャーによって奪われました。その中身は床にぶちまけられ、ドビーの助けで脱出する際、一行はバッグをその場に残さざるを得ませんでした。
物語における役割
このハンドバッグは、ハーマイオニー・グレンジャーの卓越した計画性、準備周到さ、そして高度な魔法の才能を象徴する重要なアイテムです。それがなければ、三人が長期間にわたって生き延び、分霊箱を破壊する旅を続けることは事実上不可能だったでしょう。 物語の進行上、食料、避難場所、情報源(書籍)といった物理的な制約の多くを取り払う役割を果たしました。これにより、三人は分霊箱の探索という核心的な任務に集中することができました。このバッグの存在は、ハーマイオニーがいかにこの旅において不可欠な存在であったかを明確に示しています。
舞台裏情報
- 作中でロン・ウィーズリーが指摘しているように、検知不可能拡大呪文を個人的な物品に使用することは、魔法省の規制に違反する可能性があります。これは、物品の密輸やグリンゴッツ魔法銀行のセキュリティを回避する目的での悪用を防ぐためです。ハーマイオニーがこの規則を破ったことは、彼女がより大きな目的のためには規則を曲げることも厭わないという側面を示しています。
- 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、ハーマイオニーが小さなバッグから次々と大きな物を取り出すシーンが視覚的に印象深く描かれています。(映画設定)