黒い魔法 (闇の魔術)
基本情報
- 名称 (Name): 黒い魔法 (Kuroi Mahō) / 闇の魔術 (Yami no Majutsu)
- 目的 (Purpose): 他者に危害を加え、支配し、あるいは殺害することを主な目的とする魔法の総称。
- 本質 (Essence): 魔法の行使に際し、術者の悪意、憎悪、加害への渇望といった負の感情を必要とする。その力は使用者自身の魂を蝕み、堕落させる性質を持つ。
- 影響 (Effect): 使用を重ねることで、術者は人間性を喪失し、心身ともに歪んでいく。ヴォルデモート卿の常人離れした容姿は、闇の魔術を極度に探求した結果である。
- 分類 (Type): 魔法の中でも最も危険で、倫理的に非難される分野。許されざる呪文などが含まれる。
既知の用途と歴史
闇の魔術は、魔法界の歴史と同じくらい古くから存在しています。その歴史は、力と不死を求めた闇の魔法使いたちによって形作られてきました。 古代ギリシャのヘラポ・ザ・ファウルは、知られている限り最も初期の闇の魔法使いの一人であり、史上初のバジリスクを創造し、分霊箱を作り出す方法を発見したとされています。ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人、サラザール・スリザリンもまた、闇の魔術に精通していたことで知られています。 20世紀には、二人の強大な闇の魔法使いが登場しました。一人はゲラート・グリンデルバルドで、彼は「魔法界の利益のために」という大義名分のもと、ヨーロッパ全土を恐怖に陥れました。もう一人が、史上最も危険と恐れられたヴォルデモート卿です。彼は自身の魂を分霊箱によって七つに引き裂き、不死を追求しました。彼が率いる死喰い人たちは、許されざる呪文をはじめとする様々な闇の魔術を駆使し、魔法界に二度の大きな戦争を引き起こしました。 物語の中で登場した闇の魔術の具体例は多岐にわたります。
学習と対抗策
闇の魔術の学習は、ホグワーツ魔法魔術学校では固く禁じられており、関連する書物は図書館の禁書の棚に厳重に保管されています。しかし、ヴォルデモートが魔法省を支配した時代には、「闇の魔術に対する防衛術」の授業が「闇の魔術」そのものを教える内容に変えられ、生徒たちは他者(罰則中の生徒)に対して磔の呪文を使用することを強要されました。 闇の魔術への対抗策は、「闇の魔術に対する防衛術」の授業で体系的に教えられます。これには、防御呪文(プロテゴなど)や武装解除呪文(エクスペリアームス)などが含まれます。魔法省には、闇の魔法使いを専門に追跡・捕獲するエリート集団、闇祓いが存在します。 しかし、最も強力な闇の魔術への対抗策は、愛からもたらされる古代の魔法です。リリー・ポッターがハリー・ポッターを救うために自らを犠牲にした行為は、ヴォルデモートの死の呪いをも跳ね返す強力な防御魔法を生み出しました。また、吸魂鬼のような闇の生物に対しては、幸福な記憶から力を得るパトローナスの呪文が有効な防御となります。
名前の語源
「黒い魔法」または「闇の魔術」という名称は、その性質を直接的に表したものです。「黒」や「闇」は、多くの文化において悪、邪悪、秘密、破壊といった概念と結びつけられています。これは、治癒や保護を目的とする「白魔術」や「光の魔法」と対比されるものです。
幕后情報
- セブルス・スネイプは6年生の「闇の魔術に対する防衛術」の授業で、闇の魔術について「数多く、変化し続け、永遠に存在する…倒すことのできない、多頭の怪物のようなものだ」と語り、その底知れなさと根深さを的確に表現しています。
- Pottermore(現 Wizarding World)では、原作で詳しく語られなかった闇の魔法や闇の魔法使いに関する背景情報が補足されることがあります。(Pottermore)