ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald) は、J.K. ローリングが脚本を手掛けたファンタスティック・ビーストシリーズの第2作目の映画である。物語は1927年を舞台とし、強大な力を持つ闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドの台頭と、彼を止めるためにアルバス・ダンブルドアから密かに任務を託された魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの活躍を描く。 本項目で記述される内容は、主として映画作品の情報に基づくものであるため、七冊の原作小説を第一の正典とする立場からは区別されるべき情報を含む。(映画設定)
あらすじ
1927年、アメリカ合衆国魔法議会 (MACUSA) の拘留下から脱獄したゲラート・グリンデルバルドは、純血の魔法使いによるマグル支配の世界を築くため、支持者を集め始める。イギリスでは、イギリス魔法省がニュート・スキャマンダーに対し、国外への渡航禁止命令を出していた。 一方、ホグワーツ魔法魔術学校の教授であるアルバス・ダンブルドアは、かつてグリンデルバルドと交わした「血の誓い」によって彼と直接対決できないため、元教え子であるニュートに、パリに潜伏している強大な力を持つ青年クリーデンス・ベアボーンをグリンデルバルドより先に見つけるよう依頼する。 ジェイコブ・コワルスキーと共に非合法でパリへ渡ったニュートは、同じくクリーデンスを追うアメリカ合衆国魔法議会の闇祓いティナ・ゴールドスタインと再会する。一行は、自身の出自を探し求めるクリーデンスと、彼と行動を共にするマレディクタスのナギニの行方を追う。 物語はレストレンジ家の複雑な血縁関係を巡る謎を解き明かしながら進行し、クライマックスではグリンデルバルドがパリのレストレンジ家の墓で大集会を開く。彼は来るべき第二次世界大戦のビジョンを見せ、魔法使いによる支配の正当性を説く。そして、忠誠を誓わない者を焼き尽くす青い炎の呪文「プロテゴ・ディアボリカ」を放つ。この戦いでリタ・レストレンジは命を落とし、クイニー・ゴールドスタインはグリンデルバルドの思想に惹かれて彼の側につくことを選ぶ。 最後にグリンデルバルドは、クリーデンスこそがダンブルドア家の失われた末裔「アウレリウス・ダンブルドア」であると明かし、彼に杖を与える。ニュートたちはニコラス・フラメルの助けを得て辛くも脱出し、グリンデルバルドから盗み出した「血の誓い」の小瓶をアルバス・ダンブルドアに手渡すのだった。
主要登場人物
登場する魔法動物
『ハリー・ポッター』正典との関連
- ダンブルドアとグリンデルバルドの関係: 若き日のアルバス・ダンブルドアとゲラート・グリンデルバルドの深い関係性と、彼らが直接戦うことを妨げている魔法の契約「血の誓い」の存在が初めて明かされた。(映画設定)
- 魔法省とホグワーツ: 1920年代のイギリス魔法省やホグワーツ魔法魔術学校の様子が描かれる。
幕後情報
- 本作は全5部作で計画されている『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第2作目である。(映画設定)
- クリーデンスがダンブルドア家の人間「アウレリウス・ダンブルドア」であるという結末は、ファンの間で大きな驚きと共に、正典の歴史との整合性を巡る多くの議論を呼んだ。(映画設定)
- 若き日のミネルバ・マクゴナガルの登場は、Pottermoreなどで示唆されていた彼女の生年(1935年)と矛盾するため、正典上の解釈について議論が存在する。(映画設定、Pottermore)