オリバー・ウッド

オリバー・ウッドは、ハリー・ポッターホグワーツ魔法魔術学校に入学した当初のグリフィンドールクィディッチチームのキャプテンであり、ポジションはキーパーを務める人物です。彼はクィディッチに対して並外れた情熱と執着心を持っており、チームを勝利に導くためにはいかなる努力も惜しまない、厳格かつ熱心なリーダーとして描かれています。ハリーのクィディッチにおける最初の指導者であり、彼を優れたシーカーに育て上げました。卒業後も魔法界との関わりを持ち続け、第二次魔法戦争の最終決戦であるホグワーツの戦いにも駆けつけました。

ウッドはハリーより4学年上で、1987年にホグワーツに入学したと考えられています。1991年、彼はグリフィンドール・チームの新しいシーカーを探していたところ、ミネルバ・マクゴナガルの推薦により、1年生としては異例の抜擢でハリー・ポッターをチームに迎え入れました。彼はハリーにクィディッチの複雑なルールを一から教え込み、その才能に大きな期待を寄せました。 彼のキャプテンとしての指導は極めて厳格で、天候に関わらず早朝からの厳しい練習を課すことで知られていました。また、彼の作戦会議は長々と続くことで有名でした。彼の悲願は、在学中にクィディッチ・カップで優勝することであり、特にライバルであるスリザリン寮チームに対して強い対抗心を燃やしていました。 1992年から1993年にかけての年度では、バジリスク事件によりクィディッチ・カップが中止となり、彼は深く落胆しました。 最終学年である7年生になった1993年から1994年のシーズンは、彼にとって優勝を掴む最後のチャンスでした。ハリーのニンバス2000暴れ柳によって破壊された際には絶望しますが、後にハリーが最高級の箒であるファイアボルトを手に入れると、狂喜乱舞しました。この年、彼はついに悲願を達成し、グリフィンドール・チームを長年ぶりのクィディッチ・カップ優勝へと導きました。

1994年にホグワーツを卒業した後、彼はプロのクィディッチ選手となり、名門チームであるパドルミア・ユナイテッドの補欠選手として契約しました。この事実は、パーシー・ウィーズリーがハリーに宛てた手紙の中で言及されています。

1998年5月2日、ヴォルデモート卿との最終決戦であるホグワーツの戦いが勃発すると、ウッドは不死鳥の騎士団の呼びかけに応じ、他の卒業生たちと共にホグワーツへ駆けつけました。戦闘中、彼はネビル・ロングボトムコリン・クリービーの遺体を運ぶのを手伝う姿が描かれており、最後までホグワーツを防衛するために戦い抜きました。彼はこの戦いを生き延びたことが確認されています。

  • 外貌: がっしりとした体格の少年として描かれています。クィディッチ選手として鍛えられたたくましい身体つきをしています。
  • 性格: 彼の性格は情熱的執着心が強い、そしてドラマチックであると要約できます。彼の関心事はほぼすべてクィディッチに向けられており、試合に勝つこと、特にクィディッチ・カップを手にすることしか頭にありません。そのため、練習中は非常に厳しく、チームメイトを容赦なく鍛え上げます。一方で、試合の中止や重要な選手の離脱といった逆境にはひどく落ち込み、勝利や高性能な箒といった好機には大げさなほど喜ぶ、感情の起伏が激しい一面も持っています。その根底には、グリフィンドール生としての強い誇りと勇気があり、ホグワーツの戦いへの参加がそれを証明しています。
  • クレンスウィープ5: ハリーの1年次に彼が使用していた箒。当時としては旧式なモデルでしたが、彼はこの箒を乗りこなしていました。
  • 作戦盤とチョーク: チームに戦術を説明するため、彼は頻繁に黒板のような作戦盤を使用していました。
  • オリバー (Oliver): フランスのノルマン起源の一般的な英語名で、「オリーブの木」を意味する可能性があります。オリーブが平和の象徴であることを考えると、彼の好戦的な性格とは皮肉な対比になっています。
  • ウッド (Wood): 英語で「木」や「森」を意味する非常に一般的な姓です。これは魔法の箒の素材や、クィディッチのゴールのポストが木製であることを連想させ、彼の役割に非常に適した名前と言えます。
  • 映画版: 映画シリーズでは俳優のショーン・ビガースタッフ (Sean Biggerstaff) が演じました。『ハリー・ポッターと賢者の石』と『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に登場しましたが、原作では重要な役割を果たす『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でのクィディッチ・カップ優勝シーンは映画ではカットされたため、彼の出番はありませんでした。しかし、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のホグワーツの戦いのシーンで、セリフはないものの再登場しています。(映画設定)