ルーナ・ラブグッド (Luna Lovegood)

ルーナ・ラブグッドは、ハリー・ポッターと同学年にあたるレイブンクロー寮所属の魔女です。風変わりで夢見がちな性格と、他の人が信じないような魔法生物の存在を固く信じていることで知られていますが、その裏には鋭い洞察力と深い思いやり、そして驚くべき勇敢さを秘めています。父はザ・クィブラー誌の編集長であるゼノフィリウス・ラブグッド。ハリーが最も困難な時期に、彼の心を支えた数少ない真の友人の一人であり、ダンブルドア軍団の重要な一員として第二次魔法戦争で活躍しました。

ルーナは魔法族の夫婦、ゼノフィリウス・ラブグッドとパンドラ・ラブグッドの間に生まれました。彼女が9歳の時、母パンドラが呪文の実験中に事故で死亡し、ルーナはその瞬間を直接目撃しました。この経験により、彼女は死を見た者にしか見えない生物、セストラルを視認できるようになりました。父ゼノフィリウスと二人で、ウィーズリー家の近くであるオッタリー・セント・キャッチポール村の近郊に住んでいました。

1992年にホグワーツ魔法魔術学校に入学し、レイブンクロー寮に組分けされました。その独特な言動から「ルーニー（Loony、変わり者）」というあだ名をつけられ、他の生徒から所持品を隠されるなどのいじめを受けていましたが、彼女自身はそれを意に介さない様子を見せていました。 ハリーとの最初の出会いは5年生の時のホグワーツ特急で、その後ドローレス・アンブリッジの支配に対抗するため、ダンブルドア軍団の創設メンバーとなります。軍団の活動では驚くべき魔法の才能を発揮し、特に守護霊の呪文を早くに習得しました。同年末には、ハリー・ポッター、ハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、ジニー・ウィーズリーと共に神秘部の戦いに参加し、死喰い人と勇敢に戦いました。 6年生の時には、クィディッチの試合で独特すぎる解説を行い、スラグホーン教授のクリスマス・パーティにはハリーの同伴者として出席しました。学期末の天文台の塔の戦いにも参加しています。 7年生の時には、セブルス・スネイプが校長となり死喰い人が支配するホグワーツで、ネビル・ロングボトムやジニー・ウィーズリーと共にダンブルドア軍団を再結成し、抵抗運動の中心人物となりました。しかし、クリスマス休暇中に乗車したホグワーツ特急で死喰い人に誘拐され、父ゼノフィリウスへの見せしめとしてマルフォイの館の地下牢に監禁されます。そこで同じく捕らえられていたオリバンダー老人を慰め、後にドビーによって救出されました。 最終決戦であるホグワーツの戦いでは、貝殻の家から駆けつけ、ヴォルデモートの分霊箱の一つであるレイブンクローの髪飾りの情報をハリーにもたらす重要な役割を果たしました。また、ベラトリックス・レストレンジを相手に、ハーマイオニー、ジニーと共に決闘を繰り広げました。

ホグワーツの戦いの後、ルーナは有名な魔法生物学者となりました。世界中を旅して新種の魔法生物を発見・分類し、その功績で名を馳せました。最終的には、父が信じていた「しわくちゃ角のスノーカック」のような一部の生物は存在しないことを認めざるを得ませんでした。（Pottermore） 後に『幻の動物とその生息地』の著者であるニュート・スキャマンダーの孫、ロルフ・スキャマンダーと結婚し、ローカンとライサンダーという双子の息子をもうけました。（J.K.ローリングのインタビューより）

外貌

• 長くもつれた、腰まである汚れたようなブロンドの髪。
• 銀色がかった、大きく見開かれた目は、常に驚いているかのような印象を与える。
• ディリジャブル・プラム（作中植物）のイヤリングや、バタービールのコルクのネックレスなど、風変わりなアクセサリーを身につけていることが多い。

性格 ルーナは非常に落ち着いており、夢見るような独特の雰囲気を持っています。しばしば突拍子もないことを口にしますが、それは彼女が見たままの世界を正直に語っているに過ぎません。他人の評価を一切気にしない強い精神力を持ち、いじめられても動じません。その一方で、友人に対しては非常に忠実で、深い思いやりと共感性を持っています。ハリーがシリウスを失った際には、死と喪失を経験した者として彼に静かな慰めを与えました。彼女の核心には、揺るぎない信念と勇敢さがあります。

• 守護霊の呪文: 若くして完璧な守護霊（実体を持つ守護霊）を呼び出すことができました。彼女の守護霊の形態は野うさぎです。
• 決闘: ダンブルドア軍団での訓練を通じて高い決闘能力を身につけました。神秘部の戦いやホグワーツの戦いなど、数々の実戦でその能力を発揮しています。
• 魔法知識: レイブンクロー生らしく、一般的な魔法知識は豊富ですが、彼女の関心はザ・クィブラーに掲載されるような、証明されていない風変わりな魔法や生物に強く向いています。

• 杖: 最初に所有していた杖はマルフォイの館で没収されました。その後、オリバンダー老人が彼女のために新しい杖を作りました。どちらの杖も、芯や材質などの詳細は不明です。
• ザ・クィブラー (The Quibbler): 父が発行する雑誌。ルーナは常にこれを読み、その内容を広めることを楽しんでいます。
• スペクトレスペックス (Spectrespecs): 『ザ・クィブラー』の付録だった、巨大でサイケデリックな色合いのメガネ。ラックスパート（作中の架空生物）を見ることができるとされています。
• ライオンの帽子: グリフィンドールを応援するために被っていた、本物そっくりのライオンの頭の帽子。本物のように咆哮します。

• ハリー・ポッター: ハリーにとって最も信頼できる友人の一人。ハリーが世間から嘘つき呼ばわりされていた時も、彼を無条件に信じました。彼女の率直さと変わらぬ友情は、ハリーにとって大きな精神的支えとなりました。
• ハーマイオニー・グレンジャー: 当初、論理的なハーマイオニーはルーナの非科学的な信念をなかなか受け入れられませんでしたが、共に戦う中で互いを深く尊敬し合う友人となりました。
• ジニー・ウィーズリー: ホグワーツでルーナを擁護した最初の友人の一人。ジニーがハリーたちにルーナを紹介しました。
• ネビル・ロングボトム: 共にダンブルドア軍団を率いた戦友であり、深い友情で結ばれています。二人とも、当初は周囲から過小評価されていたという共通点があります。
• ゼノフィリウス・ラブグッド: 父娘関係は非常に良好で、深い愛情と信頼で結ばれています。

• Luna: ラテン語で「月」を意味します。月は古くから狂気（lunacy）や神秘性と関連付けられており、彼女の風変わりで夢見がちな性格を象徴しています。
• Lovegood: 「善を愛する」と直訳できる姓。彼女の根底にある優しさや、友人への深い愛情を表していると考えられます。

• 著者J.K.ローリングは、ルーナを「反ハーマイオニー」的なキャラクターとして創造したと語っています。ハーマイオニーが論理と事実に基づいて物事を判断するのに対し、ルーナは信仰に基づいて物事を信じるキャラクターです。
• 映画版では、俳優のイヴァナ・リンチが演じました。
• 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』では、ネビルと恋愛関係になることを示唆する描写がありますが、これは映画版独自の脚色です。原作では、彼女は後にロルフ・スキャマンダーと結婚します。（映画版の設定）