ドラコ・マルフォイ

ドラコ・マルフォイは、ホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮に所属する純血の魔法使いであり、物語の主人公であるハリー・ポッターの主なライバルです。彼は裕福で影響力のあるマルフォイ家の出身で、父のルシウス・マルフォイは著名な死喰い人 (デスイーター) でした。ドラコはシリーズを通して、純血の優越思想を体現し、ハリー・ポッターとその友人たちに対して敵対的な態度を取り続けます。しかし、物語の後半では、ヴォルデモート卿から課せられた任務の重圧に苦しみ、彼の内面の葛藤や恐怖が描かれ、単なるいじめっ子ではない複雑な人物像が浮き彫りになります。

ドラコは、純血の名家であるマルフォイ家の一人息子として、ウィルトシャーにあるマルフォイの館で育てられました。両親からマグルマグル生まれ、そしてウィーズリー家のような「血を裏切る者」を軽蔑するように教え込まれました。ホグワーツ入学前、ダイアゴン横丁のマダム・マルキンの洋装店で初めてハリー・ポッターと出会いますが、その時点では彼の正体に気づいていませんでした。

ホグワーツの戦いの後、ドラコはアストリア・グリーングラスと結婚し、息子スコーピウス・マルフォイをもうけます。彼は息子に純血至上主義の思想を植え付けず、より寛容な考え方を持つように育てました。(Pottermore, 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』)

ドラコは、青白い尖った顔、プラチナブロンドの滑らかな髪、そして冷たい灰色の目をしています。彼はしばしば、人を見下したような表情を浮かべていると描写されます。 性格的には、傲慢で偏見に満ち、自身の家柄と富を鼻にかける典型的ないじめっ子です。彼は父親の愛情と承認を強く求めていますが、同時に臆病な一面も持っています。物語が進むにつれて、特に6年目以降は、死喰い人としての任務のプレッシャーと恐怖に苛まれ、彼の脆弱さや良心の呵責が描かれます。彼は根っからの悪人というよりは、自身の育った環境の産物であると言えます。

  • Draco: ラテン語で「ドラゴン」または「蛇」を意味します。これはスリザリン寮の象徴と一致しています。また、りゅう座の学名でもあります。
  • Malfoy: 古フランス語の “mal foi” に由来し、「不誠実」や「背信」を意味します。
  • 作者の見解: J.K. ローリングは、多くのファン(特に少女たち)がドラコに惹かれることに戸惑いを感じており、彼が隠れたヒーローではないことを繰り返し強調しています。(著者インタビュー)
  • 映画版: 映画ではトム・フェルトンが演じました。原作よりもドラコの葛藤やためらいが強調されるシーンがいくつか追加されています。(映画版)
  • その後: 物語のエピローグでは、妻アストリアと息子スコーピウスと共にキングス・クロス駅に姿を見せ、ハリーと無言の会釈を交わします。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』では、彼の成人後の生活や、ハリーたちとの和解に至る関係が詳しく描かれています。(舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』)