ネビル・ロングボトム

ネビル・ロングボトムは、純血の魔法使いであり、ハリー・ポッターと同級生のグリフィンドール生です。物語の初期では、忘れっぽく気弱な少年として描かれますが、シリーズを通して著しい成長を遂げ、ヴォルデモート卿に対する抵抗運動において、勇敢で重要な役割を果たすようになります。彼はダンブルドア軍団の主要メンバーであり、最終的にヴォルデモートの最後の分霊箱であるナギニを破壊するという、予言の成就に不可欠な貢献をしました。彼の物語は、内なる勇気を見出し、逆境に立ち向かうことの象徴です。

ネビルは1980年7月30日、高名な闇祓いであるフランク・ロングボトムとアリス・ロングボトムの間に生まれました。これはハリー・ポッターが生まれるわずか1日前のことです。彼が幼児の頃、両親はベラトリックス・レストレンジを含む4人の死喰い人 (デスイーター)に「磔の呪い」で拷問され、心神喪失状態に陥りました。両親は聖マンゴ魔法疾患傷害病院に収容され、ネビルは厳格な祖母であるオーガスタ・ロングボトムに育てられました。彼の家族は、ネビルの魔力がなかなか現れなかったため、一時期彼がスクイブではないかと心配していました。

ネビルはホグワーツ魔法魔術学校でグリフィンドール寮に組分けされます。

• 1年生: 忘れっぽさから、祖母にリメンブロールを贈られます。ドラコ・マルフォイやセブルス・スネイプ教授からはいじめの対象にされますが、学年末には規則を破ろうとするハリー、ロン、ハーマイオニーに勇気を出して立ち向かい、その行為が評価されてグリフィンドールに寮杯をもたらす最後の10点を与えられました。
• 3年生: 「まね妖怪 (ボガート)」に対する恐怖を克服する授業で、彼の恐怖の対象がスネイプ教授であることが明らかになります。リーマス・ルーピンの指導のもと、「リディクラス (ばかばかしい)」の呪文を見事に使いこなし、まね妖怪を祖母の服を着た姿に変身させました。
• 4年生: 三大魔法学校対抗試合の年には、バーテミウス・クラウチ・ジュニアが化けたアラスター・ムーディによる「許されざる呪文」の授業で、両親を襲った「磔の呪い」を目の当たりにし、深い衝撃を受けます。薬草学の才能に長けており、第二の課題でハリーに鰓昆布 (ギリーウィード)を渡しました。
• 5年生: ドローレス・アンブリッジの支配に対抗するため、ダンブルドア軍団に加入し、魔法の腕前を飛躍的に向上させます。神秘部の戦いではハリーたちと共に戦い、その最中に父親の杖が折れてしまいます。
• 6年生: 新しい杖（桜とユニコーンの毛、13インチ）を手に入れます。天文学塔の戦いにも参加し、死喰い人と戦いました。
• 7年生: ハリーたちが学校を離れる中、ジニー・ウィーズリーやルーナ・ラブグッドと共に、カロー兄妹が支配するホグワーツでダンブルドア軍団を再結成し、抵抗運動を主導します。ホグワーツの戦いでは、ヴォルデモートに直接反抗し、燃え盛る組分け帽子の中からグリフィンドールの剣を引き抜き、最後の分霊箱であるナギニを斬り殺しました。

ホグワーツの戦いの後、ネビルはしばらく闇祓いとして魔法省に勤務しました。その後、ホグワーツに戻り、彼の最も得意とする科目であった薬草学の教授に就任しました。（作者インタビュー）

物語の初期において、ネビルは「丸顔の少年」と表現されています。性格は非常に臆病で自信がなく、忘れっぽい面が目立ちます。これは、彼の育てられた環境や、偉大な両親を持つことへのプレッシャーが大きく影響しています。しかし、その内面には強い忠誠心と道徳観、そしてグリフィンドール生らしい真の勇気を秘めています。友人たちのため、そして正しいことのためには、恐怖を乗り越えて何度でも立ち上がることができる人物であり、シリーズを通じて最も大きな精神的成長を遂げたキャラクターの一人です。

• 全般: 当初は魔法の才能に乏しいと見なされていましたが、ダンブルドア軍団での訓練を通じて、特に闇の魔術に対する防衛術において目覚ましい進歩を遂げました。
• 得意分野: 薬草学に非常に優れた才能を持っており、この分野ではハーマイオニー・グレンジャーをも上回る知識と技術を示します。
• 守護霊の呪文: 守護霊を呼び出すことができますが、作中では明確な実体を伴わない形で描写されています。
• 杖:
  • 最初の杖: 父親であるフランク・ロングボトムから受け継いだもの。神秘部の戦いで折れてしまいました。
  • 二本目の杖: 6年生の時にオリバンダーの店で購入した、桜材、ユニコーンのたてがみの芯、13インチの杖。

• リメンブロール: 1年生の時に祖母から贈られた、持ち主が何かを忘れていると赤く光るガラス玉。
• ミムブルス・ミムブルトニア: 15歳の誕生日にアルジー大おじから贈られた、サボテンのような珍しい魔法植物。脅威を感じると臭い樹液を噴出します。
• グリフィンドールの剣: ホグワーツの戦いのクライマックスで、組分け帽子の中からこの剣を引き出しました。これは彼が真のグリフィンドール生であることの証明です。

• 家族: フランク・ロングボトム（父）、アリス・ロングボトム（母）、オーガスタ・ロングボトム（祖母）。両親を深く愛しており、聖マンゴ病院へ定期的に見舞いに訪れています。祖母からは厳しく育てられ、しばしば失望の言葉を投げかけられますが、最終的には彼の勇気を心から誇りに思うようになります。
• 友人: ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーとは強い絆で結ばれています。また、ジニー・ウィーズリー、ルーナ・ラブグッドと共に「銀の三人組 (シルバー・トリオ)」（ファンによる呼称）として、ホグワーツの抵抗運動を率いました。
• 敵: ヴォルデモートと彼の死喰い人、特に両親を拷問したベラトリックス・レストレンジを憎んでいます。学生時代はドラコ・マルフォイにいじめられ、セブルス・スネイプからは常に厳しく当たられていました。
• 配偶者: ハンナ・アボットと結婚しました。（作者インタビュー）

• Neville: フランス語の姓に由来し、「新しい町」を意味する可能性があります。また、第二次世界大戦前にヒトラーに対して宥和政策をとった英国首相ネビル・チェンバレンを連想させますが、ヴォルデモートという圧制者に最後まで立ち向かったネビル・ロングボトムの行動とは対照的です。
• Longbottom: J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場する地名「ロングボトム」を彷彿とさせ、そこでは良質なパイプ草が栽培されていました。これはネビルの薬草学への才能と関連している可能性があります。

• 予言のもう一人の子: シビル・トレローニーが予言した「7月の終わりに生まれる」「闇の帝王を三度退けた親を持つ」という条件は、ハリー・ポッターだけでなくネビルにも当てはまりました。ヴォルデモートがハリーを選んだことで、ハリーが「選ばれし者」となりましたが、ネビルがその運命を背負う可能性もありました。
• 結婚と職業: J.K.ローリングはインタビューで、ネビルがリーキー・コールドロンの女主人となったハンナ・アボットと結婚し、自身はホグワーツの薬草学教授として幸せに暮らしたと明かしています。（作者インタビュー）
• 映画版での描写: 俳優マシュー・ルイスが演じました。彼の外見はシリーズが進むにつれて原作の描写とは異なっていきましたが、内気な少年から英雄へと成長するネビルのキャラクターアークは力強く描かれています。