天文塔の戦い

天文塔の戦い (Battle of the Astronomy Tower) は、1997年6月30日の夜にホグワーツ城で起きた、第二次魔法戦争における重要な戦闘です。この戦いは、ドラコ・マルフォイ姿をくらますキャビネット棚を使って死喰い人を城内に手引きしたことで始まり、アルバス・ダンブルドアの死という悲劇的な結末を迎えました。この出来事は、ヴォルデモート卿の権力掌握を決定的なものとし、ハリー・ポッター分霊箱を探す旅に出る直接のきっかけとなりました。

ヴォルデモート卿は、ルシウス・マルフォイ神秘部での任務に失敗したことへの罰として、その息子であるドラコ・マルフォイアルバス・ダンブルドアを殺害するという任務を課しました。ドラコは一年をかけて任務を遂行しようと試みましたが、呪われたネックレスや毒入りの蜂蜜酒を使った計画は失敗に終わりました。 最終手段として、ドラコは必要の部屋にあった姿をくらますキャビネット棚を修理しました。この棚は、ボージン・アンド・バークスにある対の棚と繋がっており、死喰い人が厳重に警備されたホグワーツに侵入するための秘密の通路となりました。一方で、セブルス・スネイプナルシッサ・マルフォイ破れぬ誓いを交わしており、ドラコを助け、彼が失敗した場合には任務を完遂することを約束していました。 戦いの直前、ダンブルドアとハリー・ポッターヴォルデモート卿分霊箱の一つであるスリザリンのロケット(偽物)を回収するために洞窟を訪れており、その際に飲んだ魔法薬によってダンブルドアは著しく衰弱していました。

戦闘は、死喰い人がダンブルドアを天文塔の頂上へとおびき寄せるために、上空に闇の印を打ち上げたことから始まりました。

  1. 衰弱した状態でホグズミードから戻ったダンブルドアとハリーは、マダム・ロスメルタから借りた箒で天文塔の頂上に着地します。
  2. 待ち構えていたドラコ・マルフォイがダンブルドアに「武装解除せよ (エクスペリアームス)」をかけ、これにより意図せずしてニワトコの杖の忠誠心を勝ち取ります。
  3. ダンブルドアはドラコにヴォルデモート卿側から離反するよう説得を試みますが、そこにベラトリックス・レストレンジフェンリール・グレイバックカロー姉弟アレクト・カローアミカス・カロー)といった他の死喰い人たちが到着します。
  4. 最後にセブルス・スネイプが塔の頂上に現れます。ダンブルドアは彼に「セブルス…頼む…」と懇願しますが、スネイプは「アバダ・ケダブラ」の呪文を唱え、ダンブルドアを殺害します。
  5. ダンブルドアの死体は塔から落下し、その死と共に彼がハリーにかけていた金縛り術が解けます。
  6. 激怒したハリーは逃走するスネイプと死喰い人を追跡します。追跡の途中、スネイプは自らが「半純血のプリンス」であることを明かし、死喰い人たちはハグリッドの小屋に火を放った後、城の敷地から逃走しました。

この戦いは、第二次魔法戦争の戦局に決定的かつ壊滅的な影響を与えました。