ハリー・ジェームズ・ポッター

ハリー・ジェームズ・ポッターは、J.K.ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズの主人公です。「生き残った男の子」として魔法界全体に知られ、ヴォルデモート卿を倒すという予言の中心人物です。彼は不死鳥の騎士団ダンブルドア軍団の重要な一員であり、物語を通じて勇気、愛、そして自己犠牲の力を象徴する存在として描かれています。彼の人生は、闇の魔法使いヴォルデモート卿との宿命的な対決を中心に展開されます。

1980年7月31日、ジェームズ・ポッターリリー・ポッターの間に生まれる。1981年10月31日、ヴォルデモート卿が一家を襲撃し、両親は殺害されるが、ハリーは母親の愛による古代の魔法で守られ、死の呪い「アバダ・ケダブラ」を跳ね返して生き残った。この事件により、彼の額には稲妻型の傷跡が残り、ヴォルデモートは力を失った。その後、ハリーは唯一の血縁者である叔母ペチュニアのいるダーズリー家に預けられ、自身の魔法の才能を知らないまま、辛い幼少期を過ごした。

ダンブルドアの死後、ハリーはロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーと共に残りの分霊箱を探し、破壊するための旅に出る。魔法省が陥落し、死喰い人に追われる中で、彼らはスリザリンのロケットを破壊し、ゴドリックの谷マルフォイの館など危険な場所を転々とした。最終的にホグワーツの戦いで最後の分霊箱を発見・破壊し、自身が意図せずしてヴォルデモートの分霊箱になっていたことを知る。死を覚悟してヴォルデモートの前に進み出るが、再び生き残る。最後の決闘では、ニワトコの杖の真の所有者であったハリーに対し、ヴォルデモート卿が放った死の呪いが跳ね返り、ついに宿敵を打ち破った。

19年後、ハリーはジニー・ウィーズリーと結婚し、三人の子供、ジェームズ・シリウス・ポッターアルバス・セブルス・ポッターリリー・ルーナ・ポッターをもうける。彼は魔法省に入省し、史上最年少(27歳)で魔法法執行部の部長に就任した。(Pottermore)

外見:父親譲りの、いつもうまく整えられない癖のある黒髪と、母親譲りの輝くような緑色のアーモンド形の目を持つ。丸い眼鏡をかけており、額にはヴォルデモート卿によってつけられた稲妻の形の傷跡がある。ダーズリー家での育ちのため、同年代の子供に比べて小柄で痩せている。 性格:非常に勇敢で、友人や愛する人々を守るためには自己犠牲も厭わない。強い正義感を持ち、権威に屈しない頑固な一面もある。時に衝動的で無鉄砲な行動に出ることもあるが、根は謙虚で、自身の名声に戸惑いを感じることが多い。深い愛情と忠誠心を持ち合わせている。

  • Harry: 著者J.K.ローリングが一番好きな男性名。中英語の「Henry」に由来し、「家の支配者」を意味する。多くの英国王の名前でもある。
  • Potter: 英語圏で一般的な職業姓で、「陶工」を意味する。著者が幼少期の友人の姓から借用したと語っている。(作者インタビュー)
  • J.K.ローリングは、1990年にマンチェスターからロンドンへ向かう遅延した電車の中でハリー・ポッターの着想を得たと述べている。(作者インタビュー)
  • 映画版では、ハリーの目は原作の緑色ではなく、演じたダニエル・ラドクリフの元の色である青色になっている。(映画設定)
  • 物語の最後のエピローグは、ホグワーツの戦いから19年後の2017年9月1日が舞台である。